2024年11月19日
国交省 トラック・物流Gメン、人員倍増・機能大幅強化
国土交通省は、11月から「トラックGメン」の体制・機能を大幅に強化した。組織名を「トラック・物流Gメン」に改めるとともに、人員を総勢約360人に倍増。悪質な荷主企業・元請事業者に関する情報収集対象を、倉庫事業者にも広げた。トラックドライバーの適正運賃の収受と労働環境の改善を支援し、深刻な担い手不足の解消につなげていく。
国交省は、「物流の2024年問題」への対応と同時に、物流産業全体の取引適正化を一段と加速させるため、担当組織を人材・機能の両面から拡充した。情報収集の強化では、新たに倉庫事業者をヒアリング対象に加え、トラック事業者に対する違反原因行為の疑いがある悪質な荷主企業・元請事業者の特定力を高める。
荷待ち時間の削減では、倉庫を利用する発・着荷主の協力が必要となる。こうしたことから、物流サプライチェーン全体の取引環境適正化に向けて、倉庫事業者の視点・意見を取り入れる。
人員体制は、従来のトラックGメン162人に、地方運輸局などの物流担当部署の29人、各都道府県トラック協会が新設する「Gメン調査員」166人を加えた総勢357人に増員した。地方運輸局などの職員は、倉庫事業者の担当Gメンを務める。さらに倉庫業界団体にも情報収集窓口を設置。本省が地方運輸局などと連携して、悪質な荷主などの情報をとりまとめる。
斉藤鉄夫国交相(当時)が11月初頭にトラックGメンの体制・機能の拡充を発表。「荷主の行動改善や物流全体の取引適正化を一層推進し、持続可能な物流の確保に向けて、着実に対処していきたい」と抱負を述べた。
国交省は2023年7月、トラック事業者の法令順守や適正取引を妨げる疑いのある悪質な発着荷主企業・元請事業者について情報を収集するトラックGメンを創設。これまでに、荷主企業などに対して貨物自動車運送事業法に基づく「働きかけ」の是正指導を1千件以上行った。
11、12月は、23年に続き「集中監視月間」に設定。関係行政機関との連携強化や情報収集の強化を図りながら、Gメンらが悪質な荷主企業などに対する是正処置を集中的に実施する。荷主企業・元請事業者に対する環境改善に向けた協力も要請する。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞11月15日掲載