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2024年11月07日

全国自動車無線連合会 64年の歴史に幕、背景に配車アプリ普及

タクシー無線配車の業界団体、全国自動車無線連合会(全無連、高野公秀会長)が10月23日に都内で「解散臨時総会」を開いた。全無連は1960年に活動を開始、タクシー無線の普及と適正な運用に取り組み、顧客サービスの向上に務めてきた。しかし、2020年代に入りスマートフォンの配車アプリ普及が本格化し、無線配車のニーズが大幅に縮小した。このため6月13日の通常総会で解散を満場一致で決議。そして清算業務が完了したことを受け、正式に解散した。

全無連は、タクシーのデジタル変革(DX)が進む中で、無線ならではの情報通信技術を活用して、さまざまな地域ニーズに対応しながら、エッセンシャルワーカーとして「タクシーの災害対応をはじめとした社会貢献」に取り組むなど、新たな活動領域を模索してきた。しかし、オペレーターの配置が不要で24時運用可能など、効率的な配車アプリの利用にシフトするタクシー事業者が相次いだことで、解散を決意した。

高野会長は臨時総会で「64年間わたりタクシー業界を支えてきた全無連は本日、幕を閉じる。無線がタクシー業界の発展を支えてきたことには、今も誇りを持っている。決断にあたっては、自問自答したが、始まりがあれば終わりがある。(解散は)自分にしかできない役割と受け止め決断した」と、無線配車の功績を感慨深く振り返るとともに、配車ツールが無線からアプリへと変化した次代の流れを噛み締めた。

全無連の活動は、解散総会に先立ち正副会長会で後継組織として提案された任意団体「全国自動車無線連絡協議会」が受け継ぐ。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞11月1日掲載