2024年10月の新車販売(登録車と軽自動車の合計)は、2カ月連続の前年超えとなる40万2310台(前年同月比1・2%増)だった。トヨタ自動車などが認証不正に伴い一部車種の生産を止めていたが、9月までに再開した。これを受け、トヨタの登録車販売が10カ月ぶりに前年を上回り、全需でも前年実績を割り込んだ軽販売をカバーした格好だ。販売各社は今後の市場拡大に期待する。前年同月比では微増だが、10月として直近10年間の台数は上から3番目の高い水準だった。

トヨタは9月上旬に小型SUV「ヤリスクロス」など3車種の生産を再開した。販売現場は受注残を大量に抱えており、販売が伸びる余地はまだありそうだ。あるトヨタディーラーの役員は「年末ごろからは各車種が増産されると聞いている。下期後半は台数を伸ばせそうだ」と語った。

日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会長)が1日に発表した登録車の新車販売は2カ月連続の前年超えとなる25万9132台(同6.6%増)だった。普通乗用車は15万4191台(同8.5%増)。小型乗用車も7万7283台(同6.5%増)となり、ともに2カ月連続のプラスだった。銘柄別では、トヨタが13万4949台(同8.5%増)と好調だ。

一方、全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)が同日発表した軽の新車販売は14万3178台(同7.3%減)となり、3カ月連続のマイナスだった。乗用車は2カ月ぶりの前年割れとなる10万6203台(同11.4%減)。貨物車は3万6975台(同6.5%増)で、3カ月ぶりのプラスだった。

全軽自協は「最量販車種が全面改良から1年が経過し、新型車効果が下がったことも(前年割れの)原因の一つではないか」としている。銘柄別では、スズキが4万9088台(同9.1%増)だった一方、ダイハツは4万4398台(同15.4%減)にとどまった。