2024年10月31日
日本自動車会議所 25年度税制改正要望取りまとめ
日本自動車会議所(内山田竹志会長)は30日、2025年度の税制改正要望を発表した。自動車の取得時と保有時の課税標準一本化などを求める日本自動車工業会(片山正則会長)の「改革3本柱」を重点要望とした。電動化や自動運転技術の進展などクルマ社会を取り巻く環境が変わる中、旧態依然とした自動車税制と課税根拠の見直しを政府・与党に求めていく。
取得時の課税は(軽)自動車税の「環境性能割」廃止と消費税への一本化を求める。地方では生活に欠かせない自動車の購入負担を軽くすることで需要喚起にもつなげる。
保有時の課税については、自動車税(排気量ベース)と自動車重量税(車両重量ベース)とで異なる課税標準を車両重量に統一して統合し、環境性能に応じて税額を増減する仕組みの導入を求める。「すべてのパワートレインを共通の物差しで課税するには、車両重量が公平・普遍的な指標に最適」と説明している。軽自動車税は定額課税に環境性能を加味するよう求める。50年以上続き、「道路特定財源」の廃止で課税根拠を失った自動車重量税の「当分の間の税率」(旧暫定税率)の廃止も訴える。
中長期的視野では、モビリティの受益に応じた新たな課税・負担の枠組みの検討を求めていく。これまでの議論で浮上した「走行距離課税」や「出力課税」の導入は「地方や物流、公共交通などへの十分な配慮が必要」と強くけん制し、電動車の普及と合わせて「公平な税負担の観点から一定の結論を得るよう議論を進めるべき」とした。
このほかにも「早急に対応すべき見直し」として6つの要望項目を挙げた。例えば、燃料課税について、ガソリン税(揮発油税)と軽油引取税に上乗せされている当分の間税率の廃止と、これらの税額を含めた金額に消費税がかかる「タックス・オン・タックス」の解消を求める。
最新の与党税制改正大綱には、自動車関連税制の見直しについて「次のエコカー減税の期限到来時(25年度末)までに検討を進める」とある。日本自動車会議所は29日、経済産業省、国土交通省、環境省に要望書を提出した。今後も業界を挙げて政府・与党へ見直しを働きかけていく。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月31日掲載