2024年10月31日
NEC ティアフォーなどと日立市、小松市で自動運転「レベル4」実証
NECは、茨城県日立市と石川県小松市で、自動運転レベル4(条件付き完全自動運転)を想定して必要となる通信システムの要件を検証する実証事業を実施すると発表した。総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に選定されたのを受けて、複数の事業者と連携して実施する。
日立市では12月から約1カ月間、みちのりホールディングス(松本順グループCEO、東京都千代田区)、ティアフォー(加藤真平社長、名古屋市中村区)と、狭い道路での安全な自動運転と遠隔監視に使用する映像配信の継続性を向上する技術について実証する。
具体的には、低遅延で安定的な通信が特長のローカル5Gを使って、道路側に設置したスピーカーから、自動運転バスの右折動作に連動して音を発して歩行者に注意喚起する。道路インフラ側が車道に入る歩行者や対向車の情報を把握すると自動運転バスに通知し、車両側の物体検知を支援する技術も検証する。
自動運転バスの遠隔監視では、携帯電話網が混雑する状況で自動的に映像を圧縮して継続的に高品質で映像を伝送する技術を検証する。
小松市では、10月下旬から約1カ月間、ティアフォー、ソフトバンクの自動運転サービス子会社のボードリー(佐治友基社長兼CEO、東京都港区)とともに、自動運転車の大容量データを高効率で通信する技術を実証する。ローカル5Gを使ってバス停に停車している短い時間内に、自動運転システムのソフトウエアを更新できるかを検証する。
また、端末に近い場所にサーバーを設置するMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)と、道路に設置したカメラで、最大300メートル遠方を走行している車両の位置や速度などの情報を、周辺を走行する自動運転車にネットワーク経由で低遅延配信できるかを検証する。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月29日掲載