2024年10月30日
愛知ダイハツ マレーシア整備学校から卒業生受け入れ
愛知ダイハツ(坪内孝暁社長)は25日、マレーシアの自動車系専門学校と組み、卒業生を現地ディーラーや日本で受け入れていくと発表した。現地の整備水準向上に貢献しつつ、日本の整備士不足にも対処する狙いがある。日本での就職を希望する卒業生を同業他社へ斡旋(あっせん)することも検討し、整備士不足の緩和に役立ててもらう。
マレーシアの政府機関であるマラ公団と基本合意書(MOU)を締結し、同公団傘下の自動車系専門学校、マスジットタナー自動車技術センター(KKTM MT)との提携を同日、発表した。愛知ダイハツが車両やエンジンなどの教材を提供し、講師役も派遣して現地で整備士教育に当たる。
卒業生は、同社がマレーシアで経営するダイハツ系のプロドゥアディーラー、「ナゴヤ・オートモービル・マレーシア(NAM)」で整備士として雇用するほか、卒業生が希望すれば日本でも受け入れる。現地で日本語の習得を後押しするほか、講師と学生の交流プログラムも計画していく考えだ。日本での就職を希望する卒業生は、愛知ダイハツグループ以外にあっせんすることも検討していく。
愛知ダイハツは2014年にプロドゥアの新車ディーラーを現地に開設。16年にはマラ公団から技能実習生の受け入れを開始し、これまでに通算12人が整備士として日本で働いた。こうした関係やノウハウもあり、今回、マラ公団との協力関係を拡大することにした。
日本では、技能実習制度に代わる「育成就労制度」が2027年頃から導入される見通し。現行制度では認められていない「転籍」が可能になるほか、「特定技能1号」を取得した上で、さらに高度な技能や日本語能力などの条件を満たす「特定技能2号」になると、長期就労や家族の帯同が認められる。自動車整備業も特定技能2号の対象分野だ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月28日掲載