2024年10月28日
三菱電機やヤマハ発動機など 自動運転「レベル4」事業化へ
三菱電機は、ヤマハ発動機やアイサンテクノロジー、ティアフォー(加藤真平社長、名古屋市中村区)と協業し、限定区域での自動運転の事業化を図る。まずリゾート施設向けに、利用者の移動手段となる「ランドカー」を提供する事業を始め、2030年度に10カ所以上の普及を目指す。工場など事業所への導入や海外展開も想定する。自動運転「レベル4(特定条件下における完全自動運転)」の本格的な商用化を図る。
25年度にもサービスを始める。ヤマハ発のランドカーを基に、アイサンテクノロジーやティアフォーの技術などを活用し、車両や運行管理の仕組みを開発する。車両にはLiDAR(ライダー、レーザースキャナー)やミリ波センサー、車内外カメラなどを搭載する。運行経路や時刻、乗降場所の自由度が高い「オンデマンド運行システム」なども構築する。スマートフォンなどで車両を呼び出し、敷地内の施設間の移動などができるようにする。
管制システムが運行状況をモニターしており、緊急停止などトラブルがあった場合は施設側が画面で確認し、スタッフが駆けつけられるようにする。すでに実証を済ませており、まずはリゾート業界に売り込んでいく。
同社がリゾート施設に売り込む背景には、インバウンド需要で観光・宿泊業界が活況を呈する中、人手不足が深刻化している状況がある。特に広大な敷地内に施設が点在するリゾート施設では、宿泊や物販、飲食、フロント、各種アクティビティーなどの機能ごとに建物が分かれ、利用者をカートなどで送迎する例が多いからだ。
リゾート施設以外でも、工場など事業所で従業員らの移動にカートなどを使う例があり、こうした制限区域内の自動運転にも、同様のソリューションが展開できると同社はみている。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月23日掲載