2024年10月24日
4~9月の国内電動車販売 上期初100万台超、燃料価格高騰でHV好調
2024年度上期(4~9月)の国内電動車販売(乗用車)は前年同期比7.5%増の100万529台だった。上半期で100万台を上回ったのは初めて。燃料価格が高止まりする中、ハイブリッド車(HV)の販売が引き続き、好調だった。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)はそれぞれ前年同期比で3割以上のマイナスとなったものの、PHVは足元で各社が新商品を投入しており、下期の販売増が見込めそうだ。
上半期の国内乗用車販売(非電動車を含む)は、一部メーカーの認証不正による出荷停止などで2年ぶりに減少した。一方で、需要が旺盛な電動車の販売は増加し、電動車比率は同5・3㌽増の55.3%に上昇した。
HVの増加率が特に高かったのはホンダだ。「フリード」の全面改良などで上半期は11万9077台(同47.6%増)を販売した。フリードにはガソリン車もあるが、HVの受注比率が高く、増産対応で長納期化の解消を進めている。HVでは、スズキや日産自動車、三菱自動車の軽自動車と輸入車も販売が伸びた。
EVとPHVは失速気味だ。上半期はそれぞれ2万7597台(同34.0%減)、1万7691台(同35.0%減)に終わった。EVは国内シェアトップの日産が1万4065台(同47.7%減)と減少。軽EVの新型車効果一巡や法規対応に伴って受注を一時停止したことが響いた。日産以外の日本メーカーも全てのメーカーが販売台数を落とした。輸入車は増えたものの、量販価格帯の選択肢は少なく、踊り場の状態にある。
PHVは、トヨタ自動車やマツダ、三菱自といった日本メーカーの新商品投入が重なり、これから販売増が期待できそうだ。トヨタが「プリウス」のPHVに廉価グレードを設定したほか、マツダは10日発売の「CX―80」にPHVも用意した。三菱自は31日に「アウトランダーPHEV」を大幅改良して発売する。プリウスの廉価グレードは従来の「Z」グレードと比べて約70万円安の390万円と需要を喚起しそうだ。9月の電動車販売は同18.9%増の20万1千台となり、3カ月連続で増加した。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞10月22日掲載