2024年10月21日
経産省・国交省 産学官交流組織「モビリティDXプラットフォーム」立ち上げ
経済産業省と国土交通省は17日、産学官の交流組織「モビリティDX(デジタル・トランスフォーメーション)プラットフォーム」を立ち上げた。次世代車の競争力強化に向けて組織間の連携や人材育成を進めていく。2024年度中に「ビークルAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の標準化やソフトウエア人材の育成に役立つ指針をつくる。同日「ジャパンモビリティショー(JMS)ビズウィーク2024」(幕張メッセ)で概要を発表した。
新組織の立ち上げは、両省が5月にまとめた「モビリティDX戦略」に基づくものだ。①ソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)領域②自動運転などのモビリティサービス領域③データ利活用領域―を想定し、組織・団体をつなぐ基盤として活動する。事務局は自動車技術会(自技会、中畔邦雄会長)が担う。
具体的にはまず、APIの標準化とソフト人材の確保から取り組む。SDVに関する「スキル標準」を今年度内に策定し、ウェブ上などで公開する。この標準を基に各社でのリスキリング(学び直し)を促すほか、育成講座も開く。自技会がこれまで開催していた「自動運転AIチャレンジ」や、ソフト人材の養成機関などと連携し、育成に役立てていく。
SDVで「サードパーティー」と呼ばれる外部の開発業者の市場参入を促すには、アプリやプログラム間をつなぐAPIの標準化がカギになる。名古屋大学やスズキ、ティアフォーなど約30社が参画する「オープンSDVイニシアチブ」は、今年度中に自動運転関連のビークルAPIを標準化し、公開する予定だ。
トヨタ自動車や日産自動車など約250社が名を連ねるJASPAR(久木隆代表理事)も、8月までにエアコンのアプリを題材に標準化を実証しており、今後はドアやワイパーなどボディー周辺からAPIの標準化を進めていくという。新組織も、こうした各団体の取り組みと連携し、車内エンターテインメント関連アプリなど、各種サービスの創出を促す。
米ボストン・コンサルティングは、SDVが30年までに6500億㌦(約97兆円)以上の新たな価値をもたらす可能性があると予想する。モビリティDX戦略では、官民で目指す中長期目標として、30~35年に日系SDVのグローバルシェア3割を目指している。
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞10月18日掲載