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2024年9月02日

「ジャパンDIYホームセンターショー」 電源など災害対策用品が多数展示

年明けの能登半島地震をはじめ、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発令や台風10号の上陸など、災害が相次ぐ日本。自動車用品でも、充電ポートや出先で使える電源製品などは災害時にも役立つ定番商品だ。日本DIY・ホームセンター協会(稲葉敏幸会長)が8月29日から開かれた「ジャパンDIYホームセンターショー」(幕張メッセ)でも、こうした製品の展示がみられた。

ホームセンターの災害対策用品コーナーでは、長期保存が効く飲料水や食料品のほか、防寒具や携帯トイレ、懐中電灯や携帯ラジオ、バッテリーなどさまざまな商品が並ぶ。この中でここ数年、需要が伸びているのが電源関連だ。発災時は、家族などへの連絡や情報収集のためにスマートフォンが欠かせない。自動車用品でも、車内のシガーソケット部に装着する充電USBポートの需要が根強い。また、アウトドアレジャーと兼用する形で、小型の車載冷蔵庫やランタンなどの電化製品を使えるよう、大型のポータブル電源を購入するユーザーも増えている。

用品メーカーや、流通を担う商社でも、ホームセンターでこうした製品の訴求を目指している。カーアクセサリーを手掛けるアークス(三好晃代表、大阪府東大阪市)は、商社の日新商会(中村忠正代表、福岡市東区)を通じ、さまざまなタイプの充電ポートを販売している。急速充電や複数のスマホの充電ができる製品もそろえており、日新商会の担当者も「比較されやすい100円ショップの製品と比べて顧客満足(CS)が高い」と胸を張る。

セルスター工業(勝永直隆社長、神奈川県大和市)は、アウトドア関連の電源製品「C5C」シリーズをホームセンターショーでアピールした。このうちポータブル電源は、車載機器に多い直流(DC)用ソケットや、一般的な家庭用機器が用いる交流(AC)に対応したコンセントなどを備える。担当者は「非常時の備えとして購入されるケースも増えつつある」としており、今後も拡販に力を入れる方針だ。

また季節が冬になれば、急な降雪により身動きが取れなくなるケースも想定される。近年は、降雪量が少ない都市部などでも大雪に見舞われることも少なくない。こうした地域のユーザーのニーズに応えるよう、エンパイヤ自動車(上橋敦社長、東京都中央区)は近年、注目が集まっている布製チェーンを展示車に装着して、使用のイメージを訴求していた。

大規模災害時には車中泊避難する人も珍しくない。避難所と比べ周囲の目を気にせず過ごせたり、自宅近くでペットなどと一緒に暮らせるメリットがある半面、エコノミークラス症候群のリスクが高まるなどデメリットもある。内閣府によると、車中避難は必ずしも好ましくないが、こうした避難の実態に合わせ、車中泊専用スペースを設けたり、車中避難の注意点などをパンフレットにして配布する自治体もあるという。電源製品のほか、日中は車外で過ごせる自動車用タープ(カーサイドタープ)や、車中で体調を崩さないよう、快適に過ごせる専用クッションなどがホームセンターに並べば、〝ついで買い〟にもつながっていきそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月31日掲載