2024年8月30日
川越自動車学校、AI教習車を導入 安全運転技量、忠実に判定
食品物流のアサヒロジスティクス(横塚元樹社長、さいたま市大宮区)は、グループ会社の川越自動車学校(同、埼玉県川越市)に「AI(人工知能)教習車」を導入、一般企業向け安全運転研修やペーパードライバー講習で活用を開始した。自車両と他車両の位置・動きや、運転者の確認行動をセンサーなどでつかみ、運転スキルを自動的に評価する車両だ。埼玉県内の指定教習所では初導入で、今後は将来の高齢化による指導員不足をにらみ順次、活用の拡大に取り組む。
AI教習車は、AIや自動運転の技術を応用して自動車学校の技能教習をサポートする車両だ。屋根に搭載したセンサーで自車と周辺車両の位置や情報を記録できるほか、車内カメラで運転者の眼や顔の動きを把握し、安全確認の有無を判断する。これらに車速や舵角などの走行情報を加味した上で、運転検定の基準に照らし合わせ技量を評価する。
教習終了後は評価内容をレポートするほか、減点項目となった運転操作を動画で具体的に確認できる。運転の操作や姿勢は、時間が経つほど我流になりがちだが、検定基準に忠実に採点するAI教習車によって基本を再確認できるともした。
同校は、通常の運転免許証取得教習のみならず、一般企業向けの安全運転研修やペーパードライバー講習は、交通安全啓蒙で重要な取り組みと考え、内容の充実を進めてきた。こうした中、AI教習車で自らの運転スタイルを客観的に振りかってもらうことが有効と考え、導入に踏み切った。
自動車教習所業界では、教習指導員の高齢化にともなう将来的な人材不足への対応が、重要課題となっている。全日本指定自動車教習所協会連合会が2021年、10年後には教習生に対して指導員が最大35%不足するとの試算を公表したほどだ。
現状ではAI教習車を自動車運転免許の取得教習に使用できない。しかし、将来の制度改正をにらみAI教習車を先行導入し、活用ノウハウを構築していく考えだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞8月30日掲載