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2024年8月28日

三重トヨタ 「環境」で地域社会に貢献、モビリティと両立

三重トヨタ(竹林憲明社長、三重県津市)では「地域モビリティに貢献する」を掲げ、社会貢献活動とSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいる。モビリティとカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を高い次元で両立することを目指しており、環境に優しい電力を活用するほか、啓蒙(けいもう)活動も積極的に展開。ショールームを利用するなどして幅広い層に環境問題の重要性をPRしている。

同社は3月、名張市のトヨタウン名張店、伊賀市の上野店で「クルマとカーボンニュートラル展」を開催。多くの来場者にカーボンニュートラルの重要性を訴えた。

トヨタウン名張店では、テーマ別にコーナーを設置。「エコカー車両展示&説明」のコーナーでは、燃料別に車を展示した。「水素で走る ミライ(FCEV/水素/燃料電池)」「電気で走る bZ4X(BEV/電気)」「ガソリンと電気で走る ハリアー(PHEV/電気+ガソリン)」「ガソリンで走る プリウス(HEV/ガソリン)」「軽油で走る ランドクルーザープラド(CDV/ディーゼル)」など、使用するエネルギー源、走る時の動力、略称などを車に詳しくない人にも分かりやすく表にして紹介。展示車両と表を見ながら「未来のクルマ」に関心を示す姿が年齢を問わず多く見られた。

「未来のレーシングカー(ソーラーカー)展示&説明」のコーナーでは、三重県立伊賀白鳳高校エコカー部の協力で、太陽光から発電して走るソーラーカーを展示した。部員がソーラーカーの仕組みやレースで勝つ工夫などを説明。部員らは参加した子どもたちからの質問に丁寧に答えていた。同社では未来を担う子どもたちに、環境問題について考えてもらう機会を提供できたとみている。

店舗でのカーボンニュートラルの取り組みにも積極的だ。鈴鹿市の鈴鹿店では、燃料電池車(FCV)のミライからショールームに給電。ショールーム内の10カ所(待合スペース3カ所、商談ルーム6室に各1カ所、展示・イベントスペース1カ所)に100㌾のコンセントを設置し、自由に使用できる形にした。サービス工場に隣接して設置した給電専用スペースには給電装置を2台分確保しており、2台の車両を同時に使用することも可能としている。

コンセントには「この電気はCO2を排出していません」「MIRAIでつくった電気です!」と明記。携帯電話の充電など、さまざまな電化製品に対応し、来場者が気軽に利用できるため、FCVの認知度が高まると同社ではみている。

7月に鈴鹿市の鈴鹿ツインサーキットで開催されたモータースポーツイベント「フレンドリーサーキットin鈴鹿ツインサーキット」では、同店からミライを持ち込み、取り出した電力でかき氷を作って来場者に提供した。真夏とあって、冷たいかき氷の人気は高く、来場者はミライで作ったことに驚きの表情を見せながら、かき氷を味わっていた。

同社はFCVの普及に対応するため2016年3月、住友電装(三重県四日市市)、日本トランスシティ(同)、谷口石油(現TANIX、同)と共同で三重県初の水素ステーションをスタート。FCVの販売とともにインフラの充実にも注力している。

同社では「ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、FCV、電気自動車の販売促進を進めるとともに、店舗の運用にも二酸化炭素(CO2)排出の削減に努めるなどカーボンニュートラルに向けて地域社会に貢献していく」(竹林社長)としており、環境問題へ取り組むと同時に啓蒙活動も積極的に推進していく考えだ。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月7日掲載