2024年8月26日
国交省、悪質な運送事業者排除 法令順守命令の発動基準策定、10月施行
国土交通省は、悪質な一般貨物自動車運送事業者に対して法令順守を命じる発動基準をまとめた。貨物自動車運送事業法に基づき、事業許可申請時に定めた「事業計画」で違反が認められた場合、事業計画変更の認可申請などを事業者に求める。2度目の命令にも従わなければ事業許可を取り消す。9月に公布し、10月に施行する。
事業計画は一般貨物自動車運送事業の許可申請に必要となるもので、営業所ごとの車両台数、施設・設備、運行ルートなどを明記するように同法で義務付けられている。事業許可を取得した後に事業計画を変更する場合は、営業所を管轄する運輸支局に書類の提出が必要となる。
各都道府県トラック協会など「地方貨物自動車適正化事業実施機関」が行う巡回指導や監査などで、事業計画に関する項目で違反が認められた場合、事業者を運輸支局などに呼び出し、事業の改善を指導するとともに、命令の日から原則3日以内に事業計画の変更認可申請を行うよう命令を出す。
申請が行われなかった場合などには、行政処分を行うとともに、再度、事業計画に従うよう命令する。それでも従わなければ事業許可を取り消す。
最低車両数(5台)に満たないなど、事業計画に反して事業を行っている運送事業者では、法令順守への意識が低く、悪質な法令違反が常態化している可能性がある。こうした悪質な業者に対して、事業の改善を促す措置として命令の発動基準を定めた。
政府は昨年6月、物流業界の商習慣見直しなど早急に取り組むべき対策を示した「物流革新に向けた政策パッケージ」をまとめた。悪質な事業者が利益を得るといったモラルハザードの防止対策にも力を入れており、悪質な運送事業者に対する巡回指導や国の監査を強化している。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞8月21日掲載