2018年1月29日
JARI、自動運転 公道走る前に事前テストサービス開始
日本自動車研究所(JARI)は25日、自動運転車を公道で実証試験する前に、性能やテストドライバーの対応力を試験できる「事前テストサービス」を2月に開始すると発表した。
JARIが昨年4月につくば研究所(茨城県つくば市)に設置した自動運転車の評価拠点「Jタウン」を自動走行してJARIが性能を評価、公道走行する上での課題を抽出する。自動運転技術を開発しているサプライヤーや大学・研究機関にサービスを提供する。
主に自動運転車に搭載したシステムの性能と、公道テストで運転席に乗るドライバーの対応力をテストする。システムはカーブに進入する前、十分減速できていたか、全てのタイヤが白線を踏まずに走行したか、走行軌跡・速度が法令や規則通りかなどを評価する。緊急時、ドライバーがアクセルやブレーキで運転に介入できたかなども試験。これらはJARIが用意するセンサーやカメラなどで計測する。
テストは教習所内で一台だけの走行を想定した「基本レベル」と、実際の道路で起こる場面の走行を想定した「応用レベル」の2種類を設定。雨天時などを模擬した環境下で周辺環境を認識する性能も検証する。
警察庁が2016年に発表した自動運転車の公道実証試験のためのガイドラインには、閉鎖された環境で自動運転車の性能などを確認することが推奨されており、サービスはこれに対応したもの。
自動運転車を公道で実証試験する企業や大学が増えている。ただ、試験中に自動運転車が事故を起こせば「安全性や責任問題がクローズアップされる」(永井正夫研究所長)。これによって日本での自動運転車の研究開発が遅れることも懸念される。JARIは標準的な評価試験をテストコースを持たない部品メーカーやベンチャー企業、大学などに提供し、日本の自動運転領域の技術力向上に貢献していく。
日刊自動車新聞1月26日掲載
カテゴリー | キャンペーン・表彰・記念日,交通安全 |
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主催者 | 日本自動車研究所(JARI) |
開催地 | つくば研究所(つくば市) |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | JARIホームページ |