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2024年7月09日

EV大容量電力で快適な野外活動 自動車メーカー「アウトドアショー」で提案

アウトドアを楽しむユーザーに、電気自動車(EV)を提案する動きが活発になってきた。大容量の駆動用電池を持ち、そこから外部に電力を取り出せるEVは、調理器具をはじめ多くの家電を動かせる。さまざまな野外活動を快適に行えるようになることから、新たなファンの獲得にもつながりやすい。幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれた「東京アウトドアショー2024」でも、EVの特徴を生かして多様な楽しみ方を紹介する自動車メーカーが多かった。

今回のショーには、国産車と輸入車の計12ブランドが出展。このうち、半数がEVを用意した。ホンダは6月中旬に発表したばかりの軽電気自動車(EV)「N―VANe:」(エヌバンイー)を持ち込んだ。キャンプ場をイメージしてホットプレートや電気ポットを置き、「気軽なアウトドアライフを楽しめる」(担当者)ことをアピールしていた。

スバルはEV「ソルテラ」から、電動アシスト自転車に給電するパフォーマンスを行った。観光地などで近距離移動に使う電動アシスト自転車が、電池切れの心配なく遊べるスタイルを演出し、「EVがあればアウトドアの幅が広がる」(担当者)点を訴えた。

一方、キャンプ場などのアウトドア施設は、遠方にあることが多い。長距離を走ったEVが出先で電池残量が不足すれば、想定通りに外部給電機能を使えなくなるケースも想定される。そもそも、EVは航続距離や充電インフラに不安を抱えるユーザーが少なくない。こうした課題の解決に向け、メーカー各社は駆動用電池の容量を増やすなどし、航続距離を延長する改良を重ねている。会場でもフォルクスワーゲン(VW)陣営が航続距離600㌔㍍超のSUV「ID.4」を展示。「長距離でも不安のない『普通の車』になった点を広める」(広報担当者)ことも強くPRしていた。

ただ、アウトドアのレジャーでは1度に100㌔㍍以上を走行したり、炎天下や厳しい寒さなどEVにとって過酷な環境に置かれたりすることもある。このため、通常の顧客よりも航続距離や駆動用電池の性能を厳しめにみるユーザーが多いと思われる。こうしたユーザーに、ここ最近のEVの進化度合いを的確に伝えていくことも重要になりそう。実際、「長距離を走れる性能が顧客に十分に伝わっていない」と語る関係者もいたほか、「航続距離の改善を伝えることがEV普及のカギ」と指摘する出展者も目立った。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月6日掲載