会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2024年6月21日

国交省運輸支局と軽自動車検査協会 車検ステッカー台紙改良

「うまく剥(は)がれない」と評判の悪かった自動車検査標章(車検ステッカー)の台紙が改良され、全国の運輸支局と軽自動車検査協会が17日から新しい台紙に切り替えた。ただ、新台紙はレーザープリンターでの出力が前提のため、電子車検証の開始に合わせて車検ステッカーを印刷できるようになった整備工場や行政書士用の台紙は従来のまま。国土交通省は「引き続き、必要に応じて品質向上に取り組む」(物流・自動車局自動車整備課)と話している。

国交省は、2023年1月から始めた車検証の電子化に伴い、車検ステッカーも新しくした。ステッカーは前面ガラス用とナンバープレート用(二輪車、トレーラーなど)の2種類ある。ところが新たなステッカーは「糊(のり)面が台紙から綺麗に剥(は)がれず、台紙ごと破れる」「ステッカーを剥がす時に台紙も一緒に剥がれる」などの苦情が整備工場などから相次ぎ、国交省は昨夏から印刷会社を交えて対策を検討してきた。検討の結果、台紙の紙質を高めた上で、青シールと透明シールの「貼り合わせ部」や、台紙表面の段差もなくすなどの改良を施した。

17日から全国の運輸支局と軽自動車検査協会で新台紙に切り替えたところ「シールが剥がしやすくなった」と整備工場などから好評という。

ただし、電子車検証に合わせて導入された「記録等事務委託制度」に基づき、国から電子車検証の書き換えなどの委託を受けた整備工場や行政書士ら「記録等事務代行者」に配布される台紙は従来のままだ。新たな台紙はレーザープリンターでの出力を前提としたもの。定期的に機器を更新する運輸支局などは問題ないが、記録等事務代行者が使用しているプリンターは方式や年式がバラバラで、印字トラブルを防ぐため、新台紙の使用を見合わせたためだ。

国交省自動車整備課は「まさかプリンターを強制的に買い換えてもらうわけにもいかない。今後も必要に応じてステッカーの品質向上に取り組みたい」と話している。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月20日掲載