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2018年1月22日

東京オートサロン、整備学校も日頃の成果披露

技術習得や人材育成などにも有効―。12~14日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で行われた国内最大のカスタマイズイベント「東京オートサロン2018」には多くの自動車整備学校が出展した。

各校は学生がカスタムカーの制作を手がけることで技術力向上を支援するだけでなく、会場では学生自らが説明員として接客することでヒューマンスキルの習得にもつなげている。オートサロンは単にカスタムカーを展示する晴れ舞台としての役割だけでなく、将来の整備業界を担う若い学生が社会に出て活躍するための土台づくりにも寄与している。

開催日 2018年1月12日
開催終了日 2018年1月14日
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日,展示会・講演会
主催者

小倉学園東京自動車大学校、日本自動車大学校、トヨタ東京自動車大学校、中日本自動車短期大学、静岡工科自動車大学校、、埼玉自動車大学校

対象者 大学・専門学校,自動車業界

小倉学園東京自動車大学校(小倉基宏校長)は「AE86型スプリンタートレノ」のレストア作業に取り組んだ。車両レストアは通常授業のカリキュラムにはない上に地道な作業が多い。そのため作業の過程で行き詰まった時は学生同士で作業箇所を交代するなど気分転換も図りながら、チームプレーで作業を進める重要性を学んだ。
 日本自動車大学校(矢部明学校長)がカスタムカーの出展に注力するのは、「来場者と交流することで直接声を聞くことができるだけでなく、説明する機会を設けることで就職後にも役立つ」と考えているためだ。
 トヨタ東京自動車大学校(松浪良樹校長)は女性目線を重要視している。同校はボデークラフト科に所属する女子学生の目線を採り入れたカスタムカーを毎年出展している。こうした取り組みが志望動機にもなっているようで、「デザインなども学べる点に魅かれ入学した」ケースもある。近年は女子学生が増えていることもあり、女性のアイデアを反映した車両を出品する学校も増えている。
 中日本自動車短期大学(山田弘幸学長)は、教員が13年前に制作した車両を車体専攻科の学生がリメークした。担当教師と学生は「教科書には載っていない作業を実践的に学べた」と語るなど、オートサロンは学生にとって実践的な技術を習得できる場となっている。
 ユニークな取り組みを行ったのは静岡工科自動車大学校(岡部剛校長)。今年はボディデザイン科の学生が提案したアイデアを全校生徒が投票し、ベース車両を決めるという新たな取り組みを行った。オートサロンに直接関わらない学生にとっても、カスタムカーやイベントに興味を持つきっかけにしている。
 パワートレーンの電動化や車両技術の高度化、先進安全技術の普及など、整備業界を取り巻く環境は大きく変化している。整備作業が修理から交換へ移行しつつある中で、学生がカスタムカーを一から製作するということはモノづくりの観点からも重要だ。オートサロンへの出展がモノづくり日本の復活に向けた一助になることも期待される。