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2024年3月18日

日産とホンダ 自動車の電動化・知能化に向け協業検討開始で覚書

日産自動車とホンダは15日、車の電動化や知能化に向けた協業の検討を開始する覚書を締結したと発表した。車載用ソフトウエアプラットフォームや電気自動車(EV)の主要部品の開発に加え、商品の相互補完でも協業を検討する。EVやソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)は、開発や生産コストがかさむ。互いの技術力を有効活用するとともに、スケールメリット(規模の経済)を追求し、海外新興メーカーに出遅れている次世代車で反転攻勢をかける。

都内で共同記者会見を行い、協業の検討開始を発表した。日産の内田誠社長、ホンダの三部敏宏社長が出席した。具体的な協業内容は今後、ワーキンググループを立ち上げて検討する。

三部社長によると、検討開始に向けた議論は1月中旬ごろに本格化したという。両社が提携を進める背景には新興メーカーの存在感が増していることがある。

マークラインズによると、世界の主要市場における2023年のEVの販売台数は1196万2千台(前年比28・3%増、プラグインハイブリッド車含む)。成長率は鈍化したとはいえ、市場の拡大ペースは早い。けん引するのは、米テスラや中国・比亜迪(BYD)などの新興メーカーだ。これに対して日産とホンダのEV販売台数は、13万8500台(同5・3%減)、1万9115台(同14・1%減)にとどまる。エンジンには強みがある両社だが、EVの価格競争力の差は大きい。

内田社長は開発スピードが早い新興メーカーを意識し「多様な競争相手はますます攻勢を強めてくるだろう。悠長に構えている場合ではない」とスピード感を重視する考えを強調した。三部社長は「今回の協業を生かし、2030年の断面でトップランナーになりたい」と話した。

両社が提携で狙うのはスケールメリットだ。精緻なすり合わせのノウハウが競争力になるエンジン車と比べ、部品点数が少ないEVは量産効果がより重要になる。400万台規模の自動車メーカー同士の協業でスケールメリットを生かす。日産の内田社長は、提携先の三菱自動車を巻き込んだ協業についても「メリットが生まれれば連携の可能性もある」と述べた。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月16日掲載