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2024年3月14日

23年の電動車世界販売比率 HV好調でトヨタ3割、ホンダ2割超

日本の大手自動車メーカー3社による2023年の国・地域別電動車販売(日産自動車は電気自動車のみ)がまとまった。暦年ベースの電動車比率で、トヨタ自動車が初めて3割、ホンダが2割をそれぞれ突破した。ガソリン高を背景に北米などでハイブリッド車(HV)の人気が高まった。中国を除くアジアでもHV販売が伸びている。ただ、電気自動車(EV)はホンダや日産が減少に転じており、今後の注目点になる。

HV、EV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の販売実績をまとめた。世界販売に占める電動車比率はトヨタが35・7%(前年比7・2㌽増)、ホンダが21・6%(同3・1㌽増)だった。

電動車比率上昇のけん引役はHVだ。HV販売はトヨタが344万7千台(同32・2%増)、ホンダが81万9904台(同23・5%増)といずれも大幅に増加した。北米で、トヨタは「カローラ」「RAV4」のHV販売が過去最高を記録した。ホンダも「CR―V」「アコード」のHVが好調だった。初期需要の一巡でEV販売が鈍化する中、燃費改善効果が大きく、ラインアップも豊富な日本メーカーのHVが注目されている。

中国を除くアジア圏でもHV販売が伸びた。トヨタは21万2062台(同2・1倍)、ホンダは7万2816台(同73・4%増、大洋州含む)だった。タイやインドネシアでは中国製EVが台頭しつつあるものの、安定のブランド力やアフターサービス網で一日の長がある日本メーカー製のHVも順調に販売を伸ばしている。

一方、EV販売は足踏み状態だ。日産は22年に中国合弁会社の1社を非連結化した影響が大きく、日米のEV販売は大幅に増えた。しかし、ホンダは新商品の投入が少なかったため、全地域で販売が減少した。トヨタも10万台の大台は突破したものの、2月に発表した24年3月期の通期販売見通しでは、EVの販売計画を下方修正した。修正は今期2度目だ。

HVの底堅い需要は今後も続きそう。トヨタの宮崎洋一副社長はHVについて「25年には500万台も見通せそうだ」と語った。原油相場や国・地域の優遇策ともからむため先行きは読みにくいが、当面はHV市場の拡大が続く公算が大きい。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月5日掲載