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2024年3月13日

〝旧車〟にあこがれて 「ノスタルジック2デイズ」に集うクルマ好きたち

〝旧車〟に対する人気が高まっている。かつて流行した憧れのモデルに乗りたいという中高年層のニーズが根強いものの、今のモデルにはない独特の意匠にひかれる若年層も増えている。さらに、国内だけしか販売されなかった車種など、希少性に価値を見いだす海外ユーザーの支持も高まっており、旧車の相場も高騰し続けている。

さまざまなモデルを集めた「ノスタルジック2デイズ」(主催=芸文社)も、前年を約11%上回る4万515人が来場するなど、人気を裏付けている。アフター関連だけではなく、新車メーカーも旧車ビジネスに力を入れる動きが出ており、今後も関連市場の拡大が続きそうだ。

会場では自動車産業の黎明(れいめい)期を支えた〝クラシックカー〟から、一昔前の〝ネオヒストリックカー〟など、数多くの旧車が並んだ。この中には約90年前に生産された歴史的遺産のような車両もあり、来場者の注目を集めていた。ローバーミニ専門店「クラスカ」を運営するリストア(藁科憲佑代表、静岡県焼津市)は、内外装のデザインにひかれるユーザーが多く「若い女性が購入するケースも目立つ」(担当者)と、市場の広がりを実感している。

メーカーも旧車人気に目を付け、供給が終了していた補修部品を再生産する動きも活発になっている。さらに、マツダは、半世紀以上前に製作したコンセプト車のレストアをディーラーとともに実施。こうした取り組みを通じて、技術伝承にも生かしているという。

電気自動車(EV)をはじめ、技術の進化が著しい自動車産業だが、長い間、多くの企業が優れた技術や商品を生み出してきたことが成長の土台になっている。今後、より良いものづくりを実現していくためには、旧車を通じて、これまでの道のりを振り返ることも重要になりそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月11日掲載