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2024年3月06日

国交省、自家用有償運送制度改革案 ダイナミックプライシング導入

国土交通省は、自家用有償旅客運送制度の改革案をこのほど公表した。ダイナミックプライシング(変動料金制)を導入するとともに、タクシーサービスの補完として自家用有償旅客運送の登録車両を配車サービスに活用できるようにすることなどを盛り込んだ。パブリックコメント(意見募集)、関連通達の改正などを経て4月に公布・施行する予定だ。

自家用有償旅客運送の実施主体である自治体やNPO(非営利組織)法人などは、利用者から収受する対価について「5割増を上限、5割引を下限」として柔軟に設定できるようにする。

ダイナミックプライシングを導入する際は①対価の額をリアルタイムに変動させる②対価の額が変動する時間帯や要件をあらかじめ決定する―のいずれの手法でも可能だ。

国交省は、自家用有償旅客運送の対価の目安を「タクシー運賃の約8割」と提示している。一定期間における対価の総額は「実費」の総額の範囲内でなければならず、3カ月ごとに確認する。

また、タクシー事業と自家用有償旅客運送の実施主体者が共同で配車サービスを行えるようにする。観光地や過疎地でのタクシーの補完として自家用有償旅客運送の登録車両とドライバーを活用する。

共同運営の配車サービスで収受する対価は「タクシー運賃と同額」とした上で、実費相当額の約8割を市町村やNPO法人などが収受し、約2割は地域公共交通の利便性向上などに充てる。

有識者や地元の公共交通事業者などで構成する「地域公共交通会議」の運営手法も見直す。自家用有償旅客運送の導入にあたり、同会議で約2カ月協議しても結論が出ない場合には、協議内容を踏まえて首長の責任で判断できるようにする。

医療の広域化などを踏まえ、運送区域も柔軟化し、発着地いずれかが運送区域内にあればよいこととする。また、隣接する複数の自治体が共同で自家用有償旅客運送を行うことも認める。

国交省では、過疎地や観光地における移動手段の確保や利便性の向上などを目的に、同制度の見直しを進めている。昨年末には、自治体などからの受託で株式会社が自家用有償旅客運送に参画できるよう制度を見直した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月5日掲載