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2024年2月16日

カー用品メーカー各社 色でカスタマイズ差別化、クルマに個性

カスタマイズのコンセプトとして、〝カラー〟を意識する動きが広がっている。コンセプトやデザインが似たモデルが増える中、さまざまな色のパーツを装着することで個性を引き立てようとするユーザーが少なくない。こうしたトレンドに合わせ、用品メーカーでもさまざまなカラーを取り入れた製品を開発する動きが活発になっている。競合他社にはない色の採用で、差別化に取り組むメーカーもあり、今後も配色に力を入れた商品が用品市場に投入されそうだ。

サンショウ(山本新一社長、浜松市中央区)では、トヨタ自動車の系列ディーラー向けで展開している「モデルLM」ブランドで色を重視した新製品の品ぞろえに力を入れている。「東京オートサロン2024」にも、ミニバン「シエンタ」専用の内外装パーツを出展した。コンセプトは「ユーロカジュアル」で、欧州の伝統色であるオレンジを加飾した外装部品やシートなどを用意した。ベース車にはない欧州の雰囲気を演出することで、シエンタユーザーに遊び心のあるカーライフを提供する。同社ではファミリー層などにアピールし、販売拡大につなげる狙いだ。

LEDライトを手掛けるスプレッド(清松信吉社長、東京都港区)は、さまざまなパターンの模様を映し出すトラック用のテールランプを開発した。実現したのは色の三原色である「赤」「緑」「青」のLEDライト。この点灯の加減で、さまざまな形を表現できる。トラックの純正ランプは個性がないものが大半で、好みのものに取り換えるユーザーが多いという。これまでにはないテールランプの投入で、トラック用品の市場活性化につなげる考え。また、「かっこいいトラックが増えることで、(輸送)業界の人材不足を解消する一助になれば」(富永朝樹会長)との期待をかける。

目立つカラーの使用は、エンジンオイルそのものにも広がっている。リキモリは、高性能エンジンオイル「モリジェン」で、潤滑油を蛍光グリーンとした。「一目で見てかっこいい」(担当者)という視覚的な特徴で、ユーザーの関心を引き付ける。また、紫外線を発光するブラックライトに反応して光るため、オイル漏れやにじみを確認しやすくする効果もあるという。同社は〝見た目〟に加えて、使い勝手などを高める付加機能もアピールすることで、国内市場でのシェア拡大を目指す。

ホイールに色で個性を演出するのは、阿部商会(阿部文保社長、東京都千代田区)。同社の鍛造ホイール「ASフォージド」のセンターキャップは、赤や黄色など複数色をそろえている。「自分好みのデザインがつくれる」(担当者)点も、特徴の一つとして構成派のユーザーに訴えている。

お気に入りのカラーのアイテムがあれば、自分のクルマへの愛着も増すのは間違いない。ただ、ユーザーの趣向は多様なほか、流行色も変わりやすい。どのような点に着目して製品を開発していくか、色のマーケティングもこれから重要になっていきそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月8日掲載