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2023年11月28日

激戦必至の商用軽EV 日本メーカーが続々と新型投入

日本メーカーによる商用軽EV(電気自動車)の販売競争が幕を開ける。三菱自動車は、ミニキャブ・ミーブを大幅改良し、車名を「ミニキャブEV」に改めて12月に発売する。来年前半にはホンダやスズキ、ダイハツ工業も商用軽EVを発売する。ラストワンマイルの輸送を担う商用軽はEVとの相性が良さそう。三菱自商品戦略本部の藤井康輔CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)は「2030年に軽商用車市場のEV比率は4割程度に高まる」と予想する。中国勢も商機をうかがう中、日本メーカーは新型車でシェア獲得を目指す。

三菱自が11年12月に発売したミニキャブ・ミーブは、今年10月までに累計1万3千台を販売した。国産唯一の軽商用EVとして、日本郵便や白洋舎など法人への販売実績も豊富だ。

一方で、法人向けには中国メーカーや日本のスタートアップが相次いでEVを投入。日本メーカーでもホンダが来春に「N―VANe:」、ダイハツとスズキが今年度内に共同開発した軽EVを発売する予定だ。

三菱自も既存車種を大幅改良して迎え撃つ。今回のモデルでは、航続距離を従来比35%増の180㌔㍍に延ばす一方で価格は据え置いた。車載電池はリチウムエナジージャパン製の新型セル(単電池)を採用した。

駆動モーターは「アウトランダー」に採用した明電舎製のリアモーターを流用することでコストを抑えた。航続距離200㌔㍍、補助金込みの価格で200万円を目安に開発を進める競合他社との差を埋める。

プラットフォームの古さは否めないが、アフターサービス体制は三菱自の強みだ。EV関連の技術を習得した整備士は全国に約1500人、販社に置いてある充電設備は531台にのぼる。国内営業本部国内商品戦略部の高木聡氏は「競争は厳しくなると思うが、今まで知見を蓄えてきている」と拡販に意気込みを語った。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月25日掲載