2023年11月15日
ハーレーダビッドソン・ジャパン 新型二輪車「X」シリーズ販売開始
ハーレーダビッドソン・ジャパン(野田一夫代表取締役、東京都新宿区)は、ハーレーで初となる普通自動二輪MT(マニュアルトランスミッション)免許で乗れる仕様を設定する「X」シリーズを国内で販売開始した。新型二輪車は、二輪車では上級ブランドのハーレーのエントリーモデルで、最廉価モデルの価格を60万円台に設定した。ハーレーライダーの裾野の拡大を図る戦略モデルとなる。
「憧れのモーターサイクルブランドであるハーレーダビッドソンを、一部の人だけでなく、すべての人に提供したい。それを実現するのがXの2つのモデルだ」(野田代表)。新型二輪車Xは、軽量都市型モデルという同じシリーズでありながら、軽量で取り回しのしやすいコンパクトなトラッカースタイルの「X350」と、アメリカンロードスタイルの「X500」という異なるスタイリングで、エンジン排気量だけでなく、フレーム、シャシー、マフラー、サスペンションなど、ほぼすべてを異なる設計で開発した。
X350は1970年代のフラットトラックレースで実績を積み上げた「XR750」を彷彿させるデザインが特徴で、ハーレーの市販車の中で最小クラスの排気量となる350ccエンジンを搭載、普通自動二輪MT免許で乗れる。中速トルクを発生するようにチューニングした353ccDOHC4バルブ水冷パラレルツインエンジンに6速トランスミッションを組み合わせる。湿板クラッチはケーブル式、ファイナルドライブはチェーン式となっている。
都市型モデルらしい走行性能を発揮するため、前後17㌅ホイールを搭載する。フロントサスペンションは伸測減衰力調整機能付き41㍉㍍倒立フォークを採用、リアサスペンションがプリロードと伸測減衰力の調整が可能なコイルスプリング付モノショックとなる。シート高は777㍉㍍で、女性や初心者でも乗りやすいモデルを目指した。
また、クラシックなスポーツタイプのスタイルに仕上げたX500はボバースタイルのリアフェンダーを採用、新世代のアメリカンロードスターモデルとして開発した。サドルには快適性を追求した幅広で厚みのあるクッションを採用する。中速トルク重視にチューニングした500ccDOHC4バルブ水冷パラレルツインエンジンと6速トランスミッションを組み合わせた。
フロントサスは伸側減衰力調整機能付き50㍉㍍倒立フォーク、リアサスがモノショックでコイルスプリングとプリロード、伸側減衰力調整機構を備える。
シート高は820㍉㍍。普通自動二輪車のライダーの上級移行や、ハーレーのライダーのセカンドバイクとして需要を見込む。
新型二輪車の価格はX350が69万9800円(消費税込み)と、ハーレーとして最廉価モデルで、ライバルと想定する輸入中型自動二輪よりも20万円ほど低く抑えたという。X500は83万9800円(同)。
自動二輪車市場で350ccクラスは激戦区で、各ブランドのベストセラーモデルも少なくない。同社では「自動二輪車市場を拡大する使命がある」(同)ことから2017年ごろから普通自動二輪車免許で乗れる小排気量モデルの開発を推進してきた。
Xシリーズは年内500台の販売を計画しているが、発売前の予約受注は150台を獲得するなど「反応は上々」という。大型クルーザー専門ブランドの中型自動二輪車市場への参入で、二輪車業界の活性化につながるのか、注目される。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞11月8日掲載