自動車関連企業電動化参入支援センターは、福岡市博多区に電気自動車(EV)分解部品の常設展示場「EVパーツギャラリー」を開設した。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表される技術革新の中、電動化分野に参入を目指す地元サプライヤーなどへの支援の一環で、実際に部品を手に取って確認できる場を設けた。九州地区の企業からの要望に応じて、部品の無償貸し出しも実施する。

自動車業界を取り巻く環境の変化を受けて、九州地区においても電動化への関心が高まっている。こうした中、自動車産業に関連する企業や、新規参入を検討しているところから「EVに必要な部品を実際に展示してほしい」という声が上がっていた。こういった要望に応える形で、同センターの機能を拡充し常設の展示場を開設したもの。

EVパーツギャラリーは、福岡県中小企業振興センタービルの5階に設置した。日産の軽自動車「サクラ」などEVの主要部品であるモーターやバッテリー、インバーター等の実物分解部品約250点を展示している。希望者は、事前予約制で来場できるほか、要望する企業に対しては部品の貸し出しを行う。そのほか、自動車電動化に関する相談にコーディネーターや相談員が対応することも可能となっている。

同センターでは、北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進会議(服部誠太郎会長=福岡県知事)とともに7日、北九州市八幡西区で「第1回出前電動化道場」を開催した。サプライヤーの個別相談に応じたほか、電動化の動向などをテーマとした技術講習で、分解部品の現物を活用しながら部品の解説を行った。両者は市場規模の拡大が見込まれる電動化分野への参入を促進するため、今後も出前電動化道場を各地で実施していく。