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2023年11月10日

カート場「シティサーキット東京ベイ」 お台場に11月オープン

レーシングチームの運営を手掛けるトムス(谷本勲代表、東京都世田谷区)は、カート用サーキットを中心としたアミューズメント施設「シティサーキット東京ベイ」(東京都江東区)を11月に開設する。同社によると、東京23区内では唯一のカート場になるという。

手軽にカート走行を楽しめる環境を提供することで、技能面や費用など、モータースポーツ特有のさまざまなハードルを引き下げる。カートの競技人口の拡大につなげるほか、本格的なレースでも通用する才能を持った新たな人材の発掘の場としても活用する考えだ。

新施設では、コースを屋内外に2面用意する。屋外コースは全長400㍍で、初心者に加えて一定の技術を持つ上級者や団体での走行など、幅広い顧客層に対応するように設計した。一方、屋内は幼児や小学生を対象としており、天候にかかわらず家族連れなどが楽しめるように配慮した。日没後にはコース上にさまざまな画像を投影できるプロジェクションマッピングの演出も行うなど、単なるレースだけではないエンターテインメント性を高める独自の工夫も施す。

また、屋外コースを再現した走行シミュレーターも設置する。操作できる車両も実際のカートの仕様を再現することで、実際の走行感覚に近付けたという。コース走行前に練習の場として利用できるほか、待ち時間などに気軽に楽しめる設備として活用することで、顧客満足(CS)の向上にも役立てる。

サーキット走行で使用するカートは、同社が手掛ける電動カート(EVカート)の「EV KS―22」と、子ども用の「EV KJ―22」。このEVカートは、「電子端末による遠隔操作や運転のアシストが可能」(担当者)な点が特徴となっている。適切な運転操作につながるように支援することで、経験が浅いドライバーでも安全に走行できるようにする。

加えて、ジェンダー(社会的・文化的性差)や障害の有無など、身体能力の差で生じるハンデなどの解消にもつなげる考え。このほか、室内走行や夜間の運用も見据え、排出ガスを出さない点や静粛性の高さなどもEVカートの採用理由となっている。

新たなサーキットは、都心からのアクセス性の高さも重要なポイントとなっている。こうしたサーキットやカート場は一定の敷地を確保する必要があるため、地代が高い都市部では立地しにくい。仮にあっても、騒音が発生する問題があることから、郊外や山間部などに設置されるケースがほとんどだ。

一方、新施設は通称「お台場」と呼ばれる臨海副都心に設ける。仕事帰りの人だけではなく、学生や生徒も放課後に気軽に立ち寄りやすい環境にある。こうしたロケーションを生かし、モータースポーツ初心者の利用を増やす。この場でのカート走行をきっかけに、本格的な競技に挑戦するドライバーも生み出したい考えだ。

同社では今後、新施設を活用し、定期的なレースやイベントの開催を計画している。施設内にはサウナやバーベキューなどの娯楽施設も設ける予定で、「親子連れの顧客を増やす」(谷本代表)設備も充実していく方針。また、「2030年までに100拠点に拡大する」(同)目標も掲げており、同様の施設を国内外の都市部への展開を目指している。モータースポーツに触れるタッチポイントづくりを急ぐことで、一人でも多くのクルマ好きを育成していく狙いだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 キッズ・小学生,一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月9日掲載