日本自動車殿堂(会長=藤本隆宏東京大学名誉教授)は7日、2023年の「殿堂者(殿堂入り)」を発表した。トヨタ自動車名誉会長だった故・豊田章一郎氏ら4人が殿堂入りした。豊田氏はトヨタを世界的な自動車メーカーに育て上げた功績が評価された。「歴史遺産車」ではマツダ「787B」など4車種を選定。「日本自動車殿堂イヤー賞」では4部門中、2部門でトヨタ「プリウス」が選ばれた。

殿堂入りしたのは豊田氏のほか、横運動走行試験台を開発した小口泰平氏(芝浦工業大学名誉教授・名誉学長)、F1(フォーミュラワン)でホンダが初優勝したフォーミュラカーを設計した佐野彰一氏(本田技術研究所元取締役)、世界初の量産電気自動車を開発した相川哲郎氏(三菱自動車元社長)の4人。いずれも自動車業界の発展につながるクルマや技術を開発した点が評価された。

一方、歴史遺産車には、日本メーカーで初めて世界最高峰の耐久レースである「ル・マン24時間」を制した787Bのほか、日本初の量産自動車「オートモ号」、米国で日本車の知名度を高めたダットサン「ブルーバード」、パリ・ダカールラリーなどで活躍した三菱「パジェロ」が選出された。

今年の1台を選ぶイヤー賞(22年10月16日~23年10月15日に発売した新型車が対象)では、優れた国産乗用車を選ぶ「カーオブザイヤー」と優れたデザインのモデルを選ぶ「カーデザインオブザイヤー」にプリウスが選ばれた。なだらかな曲線のモノフォルムを追求したデザインや高い運動性能、燃費性能が評価された。輸入乗用車部門「インポートカーオブザイヤー」にはフォルクスワーゲン「ID.4」、技術を対象にした「カーテクノロジーオブザイヤー」にはスバルの「広角単眼カメラ付き新世代アイサイト」が選出された。

11月14日に学士会館(東京都千代田区)で表彰式を開く予定だ。