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2023年9月19日

日刊自連載「世の中に広がってほしいグッドパートナーシップ事業」(19)やまなみ交通運営協議会

やまなみ交通運営協議会(京都府南山城村)は、交通の再編によるクルマ社会と地域の移動課題の解決に取り組んでいる。南山城村が2019年、トヨタ・モビリティ基金の「地域に合った移動の仕組みづくり助成事業」を通じて、既存交通として運営していた無償のコミュニティバスなどの改善に着手。21年度に自家用有償旅客運送のデマンド交通「村タク」を運行する同協議会を設立し、地域住民の利便性を向上している。

同村は、京都府唯一の村で、人口の減少と高齢化が大きな課題。村民の移動手段は、自家用車への依存度が高く、村内だけでなく近隣にも交通事業者が存在しないため、高齢者を中心とした移動手段の確保が求められていた。地域住民の声を反映し、バス主体からドアツードアの移動手段である村タク主体に移行。高齢者の村内における通院や買い物のほか、村外の総合病院への移動の仕組みや、JR関西本線を補完する仕組みも構築している。

事前に予約をすれば、希望する場所から目的地までタクシー感覚で利用できる。村内の移動は300円、村外は500~3千円という手軽な運賃設定だ。

同協議会は、南山城村社会福祉協議会、南山城村商工会、NPO法人南山城村むらおこし事業組合、南山城村シルバー人材センター、南山城村役場で構成する。運転手は、シルバー人材センターを中心に、これらの団体で担当。車両は、地形や道路事情を考慮して軽自動車や乗降しやすい低床の車両を選択している。「企業版ふるさと納税」を活用し、カラフルなデザインとしている。

村タクで利便性を高めたことにより、有償でも利用者が増加し、財政支出のほぼ半減を実現した。また、シルバー人材センターなど、地元雇用での運転手確保など、高齢者の生きがいづくりという観点からも効果を発揮している。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞9月15日掲載