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2023年9月06日

トヨタとJAF 共同開発した水素充てんロードサービス車を初披露

トヨタ自動車と日本自動車連盟(JAF)は、燃料切れになった燃料電池車(FCV)に水素を充てんするロードサービス車をモビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)で初披露した。まずは燃料電池(FC)トラックによる物流実証を行う東京都や福島県での導入を検討する。

トヨタとJAFが共同開発した。容量21㌔㌘の水素貯蔵モジュールを搭載し、トヨタのFCV「ミライ」なら約20台分の水素を充てんできる。ガソリンの給油やパンク修理、バッテリー上がりなど、他のロードサービス作業に必要な道具も搭載する。ロードサービス車自体もFCVだ。

JAFによると、FCVの「水素欠」による救援依頼は年間20件程度あるという。これまでは車両を水素ステーションまで運んでいたが、導入地域では現場で水素を充てんでき、例えばFCトラックの稼働影響を最小限に抑えることができる。

ただ、導入には規制緩和の必要だ。水素貯蔵モジュールはミライの搭載品を応用しているが、高圧ガス保安法では輸送用途だと特別な許可が必要になる。また、現在は路上での水素充てんを想定した法規がなく、ロードサービス車を安全運用するための課題を洗い出した上で新たな規制をつくる必要がある。

トヨタの中嶋裕樹副社長は「ロードサービスのサポートがなければFCVを安心して使ってもらうことができない」と語り、ロードサービス車の早期導入に意欲を見せた。

カテゴリー 交通安全
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞9月5日掲載