会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2023年8月24日

インポーター各社 EVとユーザーの接点増やす、全国巡る展示会や試乗会

インポーター各社が、電気自動車(EV)に顧客が触れられる機会の創出に力を入れている。フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、マティアス・シェーパース社長、愛知県豊橋市)は、フォルクスワーゲン(VW)ブランドとして初めて全国を巡るEVの展示・試乗イベントを開始。ボルボ・カー・ジャパン(VCJ、不動奈緒美社長、東京都港区)は今春開設したブランド発信拠点を活用し、試乗の場を提供している。

輸入車市場ではEVの存在感が高まっているものの、未体験の顧客はいまだ多い。各社はEVとユーザーの接点を増やし、需要開拓につなげる。

VGJは8月、EV「ID.4」の2023年モデルの供給開始に合わせ、「フォルクスワーゲンID.4キャラバン」を始めた。同モデルは22年に台数限定で導入していたが、今回は国内市場向けに十分な台数を確保。大掛かりなイベントで認知向上を狙う。18~20日の東京ミッドタウン(東京都港区)での開催を皮切りに、全国19会場で実施する計画。いずれも試乗の機会を設ける。

イベントでは、オリジナルTシャツやステッカーが当たるクイズラリーなど、家族で楽しめる企画を用意。「ID.4はみんなの車であり、家族で乗ってもらいたい」(広報)とのコンセプトで、ファミリー層の取り込みも狙う。

一方、VCJは4月に開店した「ボルボスタジオ東京」で、EVの魅力を訴える。新車販売を行わない拠点となっており、来店客は気軽にEVを試乗することができる。プロダクトグループの畑山真一郎マネージャーは「EVに乗れば、エンジン車と全く違うことが分かる」とし、試乗を通じてより多くの顧客に高い静粛性や加速性能の周知に力を入れている。

また、ボルボのEV「C40リチャージ」と「XC40リチャージ」は2024年モデルで、これまでの前輪駆動から後輪駆動に変更する大掛かりな改良を施した。航続距離も従来よりも80㌔㍍以上延ばし、590㌔㍍(WLTCモード)とした。後輪駆動ならではの走行性能の高さを分かりやすく顧客に伝える手段として、両モデルの試乗を役立てている。

2023年上期(1~6月)の外国メーカー車のEV販売台数は前年同期比77・9%増の9239台だった。シェアは同3・0㌽増の7・5%に伸び、2桁台も見え始めた。ただ、これまでは流行に敏感で自ら情報を収集する「アーリーアダプター」が、市場をけん引したと見られる。今後、さらに国内市場で輸入EVの支持を高めるためには、流行に左右されない安定したユーザーの開拓も重要になりそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月19日掲載