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2023年8月10日

お盆の長距離ドライブ快適に 疲労軽減するカー用品が人気

お盆休みが目前に迫っている。コロナ禍から日常を取り戻しつつある中、昨年以上に帰省やレジャーを楽しむ人が増えそう。特に、マイカーでの移動が増えるとみられ、長距離のドライブで時には渋滞に巻き込まれることも想定される。こうした状況でも、車内で快適に過ごせるカー用品の需要が高まっている。

オートバックスセブンによると、「運転時の疲労軽減効果のある製品などの売り上げが好調」(広報)だという。移動は11日の祝日「山の日」から本格化するとみられるが、出発前に快適グッズを求め、カー用品店に駆け込むユーザーの姿もみられそうだ。

長距離ドライブの疲労を軽減するアイテムとして、根強い人気があるのは、座席に設置するサポートクッション類だ。首や腰など、体への負担がかかる部位を支えることで、運転中のストレスを軽減できる。定番の製品群でもあり、用品メーカー各社はさまざまな製品を市場投入している。

例えば、錦産業(佐久間由治代表、大阪市東住吉区)の「極(きわみ)」シリーズは、首と腰、座面と部位ごとにクッションを用意している。これらをユーザーが好みに合わせて組み合わせることで、体を適切に支える設計になっている。また、素材に竹炭を使用して消臭効果も高め、快適性能の向上にもつなげている。

香りの分野も、心地よい車内空間づくりに一役買っている。芳香剤もライバルが多い中で、用品市場で注目を浴びつつある製品の一つが、カーメイトの「ブラング噴霧式フレグランスディフューザーⅡ」。車両のエンジンの始動に合わせ、自動で香料を噴出する仕組みとなっている。また、噴霧の強さを4段階で調節でき、車両の大きさや乗員の好みに応じて使用することも可能。こうした利便性の高さも販売拡大のポイントになりそうだ。

まとまった休みが取りやすいお盆期間に、海水浴やキャンプなどアウトドアでのレジャーを楽しむ人も多いとみられる。カー用品でもアウトドアを意識した用品が増えているが、この中でもオートバックスセブンが販売している手動加圧式の携帯シャワーの人気が高まっている。

容器に水を入れれば、電池などを使用せずに水を噴射する。携帯式で車載できるサイズのため、レジャーの終わりに、手足の砂や泥を落とすことに役立つ。実はこの商品は、水道のない場所での簡易洗車を主目的としたもの。同社はレジャーでも使える汎用性の高さに注目し、顧客へのアピールを強めている。

また、移動する車両が増えれば、交通集中によって渋滞が発生しやすくなる。渋滞を抜け出すまでにかなりの時間を要する場合もあり、身動きがとりにくい中で役立つのが、携帯式のトイレだ。

災害対策用品などを手掛けるケンユー(占部克明社長、広島県福山市)では、凝固剤で排せつ物を処理する「携帯簡易トイレミニマルちゃんⅡ」を販売している。排泄用の袋が本体に取り付けられていることで、手軽に組み立てられる。手狭な車内スペースでも使用できる設計となっており、万が一の安心感を求めて堅調な需要が続いている。

ソニー損害保険(坪田博行社長、東京都大田区)の「全国カーライフ実態調査」によると、マイカーを持つ8割以上の人が自家用車での移動を考えている。規制の予定は11日が最も多く、帰路は13日の予定を組むドライバーが目立つという。お盆期間は新車ディーラーも休みを取るケースが多いことから、カー用品店での整備入庫の拡大にもつながりそうだ。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月10日掲載