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2023年8月10日

自動車各社、下半期に新型車相次ぎ投入 ジャパンモビリティショーも追い風

今秋から年度末にかけて新型車が相次ぎ登場する。4年ぶりにジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)が開かれるため、ショー開催に合わせて発売計画を組む自動車メーカーも多く、例年以上に下半期に新型車の投入が集中する見通し。半導体などの部品供給の解消にめどが立ちつつある中、各社は新型車で需要喚起を図る。

立て続けに新型車を発売するのはトヨタ自動車だ。6月に投入した「アルファード/ヴェルファイア」に続き、今秋には「クラウンスポーツ」「クラウンセダン」を発売する。いずれもハイブリッド車(HV)を設定するとともに、クラウンスポーツにはプラグインハイブリッド車(PHV)、セダンには燃料電池車(FCV)を設定し、エコカーの〝選択肢〟を拡充する。

アルファードやヴェルファイアが発売1カ月あまりで1年分の受注を獲得しただけに、秋に発売するレクサス「LM」も注目だ。アルファードやヴェルファイアにはない4人乗り仕様も設定し、富裕層やショーファードリブン需要を掘り起こす。価格設定にも関心が集まる。

ホンダも秋から新型車を相次ぎ発売する。目玉はホンダ最量販モデルの「N―BOX(エヌボックス)」だ。6年ぶりの全面改良では、現行モデルのコンセプトを踏襲しつつ、利便性や快適性を高めて国内販売首位の座を不動のものにしたい考え。中国から輸入して販売を再開する「オデッセイ」や新型「アコード」なども控えており、国内新車販売の底上げを目指す。

エヌボックスで市場の活性化が見込まれる軽スーパーハイトクラスでは、スズキも今年度中に「スペーシア」を全面改良する。

中堅勢では、スバルが「レヴォーグ」SUV仕様の先行予約を9月上旬から始める。スバル車は主力の米国市場に照準を合わせ、全体的に大型化が進むが、新型SUVはベース車種と同様に日本専用モデルとして開発した。今期の国内販売は12万6千台(前期比26・8%)を目指す。

このほか、マツダが「CX―80」を、三菱自動車が「トライトン」をそれぞれ発売する。いずれも新型車効果で販売店が賑わい、販売台数の上積みが期待される。

7月の国内新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は37万9053台(前年同月比8・5%増)と11カ月連続でプラスが続く。乗用車メーカー8社の国内生産も6月まで6カ月連続で増えた。物価高などの逆風もあるが、各社は新型車効果やジャパンモビリティショーを追い風に受注を増やしたい考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月9日掲載