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2023年8月08日

格安ロードサービスに注意 後絶たぬトラブル、事前説明なく高額請求

格安料金を謳(うた)う詐欺まがいのロードサービス業者によるトラブルが後を絶たない。国民生活センターによると、2022年度は前年度の約3・3倍にのぼる相談が寄せられた。多くは「事前説明のない費用を含んだ高額料金を請求された」という内容だ。自動車の故障処理に慣れていない20歳代や学生からの相談が多いという。日本損害保険協会(新納啓介会長)も以前から注意喚起している。販売会社や整備工場を通じた注意喚起や啓発活動も求められる。

国民生活センターが運用する「PIO―NET」(全国消費生活情報ネットワークシステム)で集めた「インターネットで依頼したロードサービス」に関する年度別の相談件数は急増しており、減る兆しはまだない。22年度は773件で、前年度の231件から約3・3倍に増えた。18年度の43件と比較すると約18倍にもなる。

相談例で目立つのが、作業後に事前説明のない「緊急対応費」や「祝日対応費」といった名目を上乗せされ、結果的に高額な料金をロードサービス事業者から請求されたというケースだ。中には、バッテリー診断作業後にバッテリー上がりを指摘し「低電圧で充電するなら1万6千円だが、これで直らなければ高電圧となり3万円となる。合計4万6千円になるので、最初から高電圧を勧める」という手口もあった。この相談者は結局、高電圧での作業と緊急対応費、祝日対応費などが加算されて約7万円を請求された。

この相談者は、自動車保険にロードサービスが付帯していることは知っていたが、サービス範囲外と思い、ネット検索で見つけた「基本料金3480円」のロードサービス事業者に連絡した。「実車を見ないと作業料金は分からないだろう」と思い、事前確認はしなかったという。

このほかにも「事前説明のないキャンセル料を請求された」「『作業費用を損害保険会社に請求できる』と言われて契約したが、認められなかった」などといった相談も寄せられている。国民生活センターによると、自動車のトラブルに慣れていない自動車ユーザーが故障に慌ててネットを検索し、ロードサービス事業者に依頼しているケースが多いとのことだ。

国民生活センターは、自動車が故障した場合、まずは契約している損保や保険代理店に問い合わせるよう呼びかけている。関係機関にトラブル防止に向けた協力も求めており、日本損害保険協会もロードサービス事業者との料金トラブルに関する注意喚起を行っている。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月5日掲載