2023年8月07日
日刊自連載「世の中に広がってほしいグッドパートナーシップ事業」(14)豊田自動織機
豊田自動織機は、2018年から愛知・衣浦湾の希少鳥類保全活動を展開している。専門家の協力を得て東知多工場(愛知県半田市)の敷地内に鳥類が安心して生息できる鳥の楽園「バードピア」の整備を進め、22年11月に公開した。鳥の餌となる昆虫類や植物など生態系が回復しつつあり、これまでに53種類の鳥類が確認されている。
同社は環境分野における「2050年めざす姿」の中で「生物多様性にプラスの影響をもたらす」を掲げ、各工場の特色を生かして自然環境に貢献する活動を推進している。バードピアはその活動の一環。東知多工場内の遊休エリアが湿地であることを活用し、工場が建つ前に営巣していたものの、絶滅が危惧されるコアジサシを主として鳥類全般の誘致を目指し、整備している。
バードピアは「砂れき」「湿地」「草地」「樹林」の4つのゾーンで構成。砂れきゾーンでは、コアジサシなど砂れき地で営巣する鳥のために、デコイという模型を置いたり、スピーカーで鳴き声を流したり、忌避剤を置いて外敵を遠ざけたりといった対応を実施している。
鳥類の安定した生息環境を確保するとともに、社員や地域住民、子どもたちが生きものと触れ合える場とすることで生物多様性保全に対する理解促進を図る目的もある。人と鳥類との明確な線引きをする観察小屋やボードウオーク、散策路なども整備している=写真。
樹林ゾーンは、未開拓で今後整備を進めていくエリアだ。非営利団体や学生、専門家らとワークショップを実施し、モニタリング計画やどのような空間にしていくかなど、話し合いを進めている。
カテゴリー | キャンペーン・表彰・記念日,社会貢献 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞8月4日掲載