2023年7月の国内新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は前年同月比8・5%増の37万9053台で、11カ月連続のプラスとなった。前年超えを維持したものの、軽はダイハツ工業の工場停止により12万5812台(同6・9%減)と11カ月ぶりに前年を下回った。また、足元では値上げの動きも広がり、受注への影響も出そうだ。

ダイハツは、6、7月に仕入先の工場火災による部品調達難で国内4工場の稼働停止を余儀なくされた。7月には滋賀第2工場(滋賀県竜王町)でトヨタ自動車向けOEM(相手先ブランドによる生産)車での側面衝突試験不正による出荷停止を踏まえた生産調整もあった。この結果、7月のダイハツの軽販売は約3割減、登録車も約7割減だった。

日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)が1日発表した登録車の新車販売台数は、25万3241台(同18・3%増)と7カ月連続で増加した。車種別では、普通乗用車が15万724台(同29・8%増)で7カ月連続のプラス。小型乗用車も4カ月連続の増加となる7万932台(同0・4%増)だった。

ブランド別では、7月もトヨタが前年同月比で約3割増を記録し、登録車全体を押し上げた。一方、ホンダは3カ月連続で前年を下回った。

全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)による軽の新車販売のうち、車種別では乗用車が9万9341台(同2・1%減)で11カ月ぶりに前年を下回った。貨物車も2カ月連続のマイナスとなる2万6471台(同21・6%減)だ。

こうした中、原材料費の高騰やエネルギー高を背景とした値上げが相次ぐ。7月にはスズキが軽の「ワゴンRスマイル」の一部改良に合わせて価格を上げ、ホンダは「フィット」など6車種を商品改良せずに値上げした。

現時点では各社の値上げの新車販売への影響は少ない。7月の軽の前年割れは主に供給力不足によるものだが、ダイハツ車以外に勢いが鈍化した車種もある。車両価格の上昇が購買意欲にどう響くか注視が必要だ。