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2023年7月27日

モネ・テクノロジーズ MaaS事業に電動車、医療用や防災を想定

モネ・テクノロジーズ(清水繁宏社長、東京都千代田区)は、MaaS(サービスとしてのモビリティ)事業に電動車と自動運転技術を採り入れていく方針だ。まずは日野自動車の電気トラック「デュトロZ EV」をベースとしたMaaS車両を開発し、来年から自治体向けに納車できるようにする。自動運転技術も道路交通法の改正を踏まえ、2023年後半から遠隔監視型サービスを提案していく。今後も自治体などのニーズに即したMaaS事業をそろえ、事業拡大を目指す。

デュトロZ EVは、低床で乗り降りがしやすく、約1・8㍍の室内高を持つ。車載電池から電力も取り出しやすい。まずは立ち作業が必要な診察や検査などの医療サービスを想定し、日野のリース車両に、机やいすを自由に配置できる架装レールなどを加え、自治体に提供する。将来的にはトヨタ「eパレット」をベース車に使うことも視野に入れる。

自動運転技術は、ソフトバンクの運行管理プラットフォームを用いる計画だ。人が対応する必要がある状況を除き、「遠隔監視AI(人工知能)」が状況判断をすることで、1人当たり10台程度の運行を監視できる能力を目指している。乗客へのアナウンスや簡単なやりとりもAIが担うことで、遠隔監視者の負担も減らす。

同社はトヨタ自動車とソフトバンクが19年に立ち上げ、現在はホンダやスバルなども出資する。中山間地に向けたオンデマンド交通サービスのほか、看護師と医療機器を車両に載せた「医療MaaS」、行政手続きの相談などが車内のオンライン会議システムで行える「行政MaaS」などのサービスを手がける。これまでに全国54の自治体が実証を含め同社のMaaSサービスを導入した。

災害の頻発や激甚化を踏まえ、「防災MaaS」も新たに開発する。災害発生時の情報収集や連絡、避難所への電力供給、必要物資の運搬などいった機能を検討中だ。平時は行政MaaSや移動図書館などとして運行できるよう、車内レイアウトを変えられるようにするなどして費用対効果を高める。今後も自治体などのニーズに沿ったMaaSサービスを開発し、自動運転技術と組み合わせて提供していく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月21日掲載