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2023年7月06日

ヤマハ発と愛知製鋼 磁気マーカーシステムで誤差100㍉以内、自動走行に成功

ヤマハ発動機と愛知製鋼は「グリーンスローモビリティ」と磁気マーカーシステム(GMPS)を組み合わせた自動運転の実証で、誤差100ミリメートル以内の自動走行に成功したと発表した。GNSS(衛星測位システム)に頼らず、GMPSのみで初めて自動走行させた。GMPSを手がける愛知製鋼は今回の成果も踏まえ、導入案件を増やしていきたい考えだ。

2022年8月に高知県四万十市の西土佐地域で実施した実証結果をこのほど公表した。同地域は山に囲まれており、建物などの遮蔽物も多いため、衛星測位に頼らない自動運転を目指してGMPSを実証した。

実験では、片道約1キロメートルの走路に約1千個の磁気マーカーを敷設し、複数回走行した。横方向のずれの平均値は約6ミリメートルだった。カーブなど一部でずれが大きくなったが、最大でも約80ミリメートルに収まった。愛知製鋼によると、実証ルートをGNSSだけで走行していた場合、91回の走行中、半分に当たる48回で高精度な位置測定ができていなかったという。

愛知製鋼のGMPSは、独自技術で金属の結晶構造を崩した「アモルファスワイヤ」を磁気センサーに応用した自車位置測定技術だ。センサーの感度が極めて高い分、路面に敷設するマーカーの磁力が弱くて済み、敷設コストを大きく下げられる。GNSSや他のセンサーが作動しにくい環境下でも確実に自車位置を把握できる利点もある。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月5日掲載