2023年6月09日
キャンプ時の移動手段に関する調査 8割以上がクルマ選ぶ
個人向けカーリースを手掛けるナイル(高橋飛翔社長、東京都品川区)が実施したキャンプ時の移動手段に関する調査によると、クルマを選ぶユーザーが8割以上に上ることが分かった。目的地との行き来では、さまざまな荷物を運ぶ必要がある。こうした手間が想定される中で、人と荷物を容易に運べる自動車とキャンプの親和性が高い実態が明らかになった。
クルマを使用するユーザーが多ければ、関連するカー用品などの拡販にもつながる。キャンプブームの定着に合わせ、ユーザーの目を引く新商品やサービスが登場すれば、業界の活性化にも良い影響をもたらしそうだ。調査は3月29日から4月10日にかけて、キャンプ経験者を対象にインターネット上で実施。1356人から回答を得た。
この中で、自家用車を持っている人は73・3%に上った。自家用車を持っていない人でも、「自家用車があれば自家用車でキャンプに行きたい」と回答した人が56・4%と半数を超えた。レンタカーやカーシェアリングサービスと比べて、マイカーは日時の調整の自由度が高い。一部の荷物は車に乗せたままにしておけるメリットもあるようだ。
実際に使用する車種では、車内空間が広いミニバンが目立つ。車種別の結果をみると、トヨタ自動車の「ヴォクシー」が4・9%で最多。日産自動車の「セレナ」が4・7%、ホンダの「フリード」が3・1%で続く。ホンダ「ステップワゴン」が2・6%で5位に入っており、特に家族連れに人気のミニバンが上位となっている。
ミニバンは座席数の多さに加え、シートアレンジの豊富さも特徴の一つ。人数や荷物の大きさなどに応じて、柔軟に乗り方を変更できる点が支持される要因であると考えられる。同社ではミニバンの使用傾向について「普段使いとキャンプの両方を楽しめる車として人気を集めている」と分析している。サイズが大きいキャンピングカーなどと異なり、日常の買い物からアウトドアまで使用できる車種自体の汎用性も選ばれるポイントとなっているようだ。
そのほか、車中泊の経験について聞いた設問では、「ある」と回答した人が41・1%で、あくまで移動手段としてクルマを活用するユーザーの方が多い結果となった。ただ、近年では車内用寝具の発売など、車中泊を容易に行える環境が整いつつある。こうした製品の認知や普及が進めば、車中泊用途での車の利用も増加しそうだ。
コロナ禍が落ち着く中で、公共交通機関を使った旅行が回復しつつある。また、キャンプ関連を含むカー用品も値上げの動きが目立つ中で、今後の市場の見通しを厳しく見る動きも出ている。クルマを使ったキャンプのニーズにも影響が出る恐れもあり、今後、どのように盛り上げていくかも業界の課題の一つとなりそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞6月1日掲載