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2023年5月17日

若年層「車離れ」、年齢高いほど実感 ネクサ―・会宝産業ウェブ調査

インターネットマーケティング会社のNEXER(ネクサー、宮田裕也代表、東京都豊島区)と、自動車リサイクルを手掛ける会宝産業(近藤高行社長、石川県金沢市)が実施した調査で、年齢が高くなるほど、若年層の「車離れ」を感じていることが分かった。回答者の周辺や若年層を見て車離れを感じたことがあるのは、60代が唯一6割を超えた。

また、今後、車離れがさらに加速するとみている回答者はすべての世代で9割を上回った。消費者の車離れに歯止めがかかっていない現状が浮き彫りとなった。

ネクサーの調査サービス「日本トレンドリサーチ」と会宝産業が、ウェブによるアンケートを共同で実施した。30代以下、40代、50代、60代の世代別に、計400人を調査。車離れの現状や理由などを尋ねた。

車離れを感じる回答者の割合は30代以下と40代で5割程度。50代は6割弱だった。回答者からは「車がなくても、他にもいろいろな交通手段があり困らない」という率直な意見が目立った。車離れの原因でも「上京などで都心に住む人が多く、交通の便も発達しているから」という声もあり、都市部で充実した公共交通手段を頼りにしている人も多かった。また、「経済的な問題。持たなくて良いなら持たない」など、マイカーの維持費の高さを指摘する声も少なくなかった。

今後もユーザーの車離れは、進行していきそうだ。車離れの加速は、全世代の回答者のほとんどが不可避とみている。特に60代では100%近くに達している。この背景の一つに、経済的理由がある。ある回答者は、「物価高で車どころではなくなるから」と回答。物価高騰が家計を圧迫し、マイカーにかけるコストの優先度が低くなっていると訴える。

また、「車を持たなくてもシェアをするとか、他にやりようがある」とし、気軽に車を借りられるカーシェアリングサービスの台頭も持たない判断をする一因になっている。加えて、「都会に限れば、交通網がどんどん便利になっている」との声もあり、公共交通機関の利便性向上も車離れを後押ししているようだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞5月2日掲載