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2023年4月28日

故豊田章一郎氏「お別れの会」 「ものづくり」と「人づくり」継承

2月14日に97歳で死去した豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長のお別れの会が24日、都内で行われた。愛知県豊田市の本社やミッドランドスクエア(名古屋市中村区)にも一般向けの献花台が設けられ、業界関係者をはじめ多くの人が故人との別れを惜しんだ。

トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長のお別れの会で委員長を務めた長男の豊田章男会長は、「父は『日本を豊かな国にしたい』という(トヨタ創業者の)豊田喜一郎の思いを受け継ぎ、さらに発展させ、世界の人々が平和で豊かに暮らせる社会にしたいという思いを強く持っていた」と述べ、うっすら涙を浮かべながら「トヨタの『ものづくり』と『人づくり』を継承していく」と誓った。

都内ホテルの式典会場には約3千人が参列し、故人との別れを惜しんだ。内山田竹志前会長は弔辞で「トヨタとトヨタグループを世界的な企業に育て上げた功労者であるとともに、その円満な人柄や鋭い洞察力、卓越した指導力により尊敬を集め、心のよりどころというべく存在」と振り返り、「日本の未来を信じ、志高く歩まれたあなたの意志は、次世代にしっかりと引き継いでいく」と語った。

佐藤恒治社長は日刊自動車新聞などの取材に応じ、「世代交代を進める中で、トヨタが大切にしていくべき価値観を強く感じている。この価値観は微塵もぶれることなく、私自身も継承していかないといけない」と決意を語った。

章一郎名誉会長は、トヨタ創業者である豊田喜一郎氏の長男で、工販合併後のトヨタ自動車初代社長に就いた。「現地現物」の理念を掲げ、トヨタの競争力の原点を築いた。また、米国での現地生産を推進するなどグローバル企業への発展に寄与した。1994年には自動車産業から初めて経済団体連合会の会長に就き、産業界全体の発展にも尽力した。

愛知県豊田市の本社本館ホールと名古屋市のミッドランドスクエア5階ミッドランドホールには、一般向けの献花台が設けられ、多くの人が花を手向けに訪れた。祭壇には章一郎氏の写真が飾られ、訪れた人が次々に手を合わせた。会場には章一郎氏の歩みをまとめた展示や映像も用意され、参列者は章一郎氏の在りし日の姿に思いをはせていた。

カテゴリー 会議所ニュース
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月25日掲載