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2023年4月27日

「オートモビルカウンシル2023」 旧車から最新モデルまで名車そろい踏み

計150台以上の「ヘリテージカー」などが並ぶ「オートモビルカウンシル2023」が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれた。同イベントは半世紀以上前に生まれた旧車や1980年前後から2000年代初頭の「ヤングタイマー」のほか、自動車メーカーが最新車種をそろえる全世代の〝車好き〟が楽しめる催しとして定着している。主催者が今年から「自動車文化の継承」をコンセプトに打ち出したこともあり、自動車の「むかし」と「いま」や「これから」を対比する展示が目立った。

今回からテーマが「クラシックミーツモダンアンドフューチャー」に変わった。〝未来〟という言葉を加えることで、車文化の魅力を次世代に引き継ぐという開催理念を強調した格好だ。

初出展の三菱自動車のブースは、最新の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が並び、車のこれからが感じられる空間となった。ブランドの今昔を周知するために、1950年代から続く三菱車の四輪駆動の歴史や10年間にわたる同社のPHVの足跡をまとめたパネルも設置した。

車のこれからに主眼を置いた一つが、初出展の中国・比亜迪(BYD)傘下のBYDオートジャパン(東福寺厚樹社長、横浜市神奈川区)。2023年1月に発売したばかりのEV「アット3」と年内に販売を開始する予定の同「シール」を展示した。アット3の試乗企画では、EVに初めて触れる来場者も多かったようだ。

日産自動車は軽EV「サクラ」とともに、1989年式「パオ」や98年式「フェアレディZ」などヤングタイマーを意識したブースとした。展示車両のオーナーによるトークイベントも開き、一昔前のモデルに乗り続けている思いなどを紹介していた。

約11年ぶりに復活することになるロータリーエンジン車を日本で初公開したのは、マツダだ。同社の象徴的存在でありながら排出ガス規制で2012年に生産終了したロータリーエンジン車だが、PHVの発電用エンジンとして蘇らせた。これを搭載する「MX―30eスカイアクティブR―EV」は、小型で高出力という特性のロータリーエンジンを発電用に採用することで、パワートレインを小型化したのが特徴だ。欧州で今年後半に発売し、日本市場にも投入を予定している。

このほか、水素ロータリーエンジンを搭載する「RX―8ハイドロジェンRE」をはじめ、1970年代のオイルショックを受けて燃費を40%改善した「コスモAP」も展示した。ロータリーエンジンの実用化や環境性能の向上に力を注いできたマツダ技術陣の挑戦の歴史も伝えた。

ポルシェジャパン(フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ社長、東京都港区)は、新型「911GT3RS」を国内で初めて展示した。この横で、車文化の継承に必要不可欠なメンテナンス技術に焦点を当てた企画を行った。整備工場を再現した一角で、ポルシェディーラーの整備士の教育責任者が、水平対向エンジンの調整技術を披露するデモンストレーションを実施。詳しい解説を聞きながら、整備作業を間近で見られる貴重な機会とあって、来場者の注目を浴びていた。

電動格納式ルーフを搭載する新型車「MC20チェロ」を国内初披露したマセラティジャパン(木村隆之社長、東京都港区)もむかしとこれからを対比したブースを構えた。国内では24年以降に納車開始予定の新型車とともに、1964~70年に生産された「ミストラルスパイダー」を並べ、マセラティのオープンカーの変遷を紹介した。

8回目を迎えたオートモビルカウンシル2023には過去最高となる102社・団体が出展した。展示車両は約170台。3日間で累計3万4993人が来場した。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月24日掲載