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2023年4月26日

22年度の国内電動車販売 軽EV4万台超え、プレミアムから〝普段の足〟へ

2022年度の国内乗用車市場に占める電動車(登録車と軽自動車の合計)の比率は、前年度から5・7㌽増えて47・1%となり、年度ベースで過去最高を更新した。けん引役はハイブリッド車(HV)だが、電気自動車(EV)も軽規格車の販売が4万台を超えた。補助金による後押しもあるが、日常生活に根ざした軽は1充電当たりの航続距離が短くても売れている。この勢いは23年度も続きそうで、日本では使用実態に沿った形で電動車の普及が進んでいると言えそうだ。

日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)の燃料別販売台数と全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)の通称名別電動車内訳をもとにHV、プラグインハイブリッド車(PHV)、EV、燃料電池車(FCV)のパワートレイン別に販売台数を集計した。

乗用車市場全体の販売台数は361万3705台(前年度比4・2%増)で、このうち電動車は170万979台(同18・6%増)だった。FCVを除く3車種が前年度比で2桁以上伸び、登録車を含めたEVは3倍になった。

販売が伸びたEVだが、乗用車全体に占める割合はまだ2・1%にとどまる。欧州や中国と比べると低いが、日本のEV販売はこれまで、富裕層向けの輸入車がけん引していた。しかし、昨年からトヨタ自動車の「bZ4X」や日産自動車の「アリア」など国産の品ぞろえが増えつつあるほか、日産と三菱自動車が発売した軽EVが、メーカーの予想を上回る売れ行きを特に地方部で示している。

軽EVの1充電当たりの航続距離(WLTCモード値、日産サクラ)は180㌔㍍と短い。ただ、全軽自協によると、軽乗用保有世帯の7割が複数保有で、軽の用途は「買い物・送迎」「通勤・通学」が7割以上を占める。こうした使用実態が軽EV普及の一因とみられる。目的地が明確なら急速充電器の整備を待つ必要もない。ダイハツ工業やスズキも軽EVの開発を進めており、ガソリン価格が高止まりするなかで今後も好調な販売が見込めそうだ。

一方、23年3月の電動車販売は、登録車が18万6714台(前年同月比32・9%増)と増加したが、軽は4万3681台(同8・9%減)と、7カ月ぶりにマイナスとなった。サクラなどの純増でEVが増えたが、HV(同18・1%減)の落ち込みが響いた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月20日掲載