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2023年4月24日

日本自動車会議所と警視庁新宿署 「交通安全。アクション2023新宿」開催

日本自動車会議所(内山田竹志会長)と警視庁新宿署は8、9日に東京・新宿駅西口ひろばイベントコーナーで交通安全啓発イベント「交通安全。アクション2023新宿」を開催した。自動車関連業界が一丸となり2000年から催しているもの。コロナ禍の影響で1年4カ月ぶりの〝リアル開催〟となった今回は、新たに「ステージプログラム」を設けて車両点検の重要性や交通安全のポイントをレクチャーした。さらに、フランスの国営テレビ局が取材に訪れ、日本の交通安全文化を海外に発信する機会にもなった。

開催テーマは「高齢者・幼児/児童を重点対象とし体験を通じて交通社会のルールや安全行動の大切さを啓発する」。同会議所の山岡正博専務理事は「一人でも多くの方、特に小さなお子さんに参加していただき、交通マナーを覚えてほしい。イベントを盛り上げて、交通事故に遭わないようにする意識・機運の醸成につなげたい」と狙いを語った。

会場では、体験型のショーや展示を通して、来場者に改めて交通安全の重要性をつかんでもらえるように工夫した13小間のブースが出展。その一つは「交通安全教室」で、児童向けと高齢者向けを用意した。児童向けではアニメーションを用いて横断歩道を渡る時などさまざまな状況で危険につながる「間違い」を示し、その理由を回答してもらう形式で安全確保に欠かせない行動を学んでもらった。

「くるま点検ワンポイントアドバイス」では現役自動車整備士のユーチューバー、メカドルゆきさんを講師に迎えた。ウオッシャー液のリザーバータンクやバッテリー液量の点検など日常点検の重要性を訴えたほか、タイヤの製造年月の確認の仕方をレクチャーした。「従来のクルマは故障が徐々に表面化していくが、最新のクルマは突然、エンジンが掛からなくなる場合が多いため日頃の点検が大切」などと実践的なポイントも指南した。

イベントを「素晴らしい」と評したのはフランス24(フランス国営テレビ局・アラビア語版)から取材に訪れたナジーブ・エルカシュ氏。アラブ諸国の交通安全意識は低く「例えばイラクなど石油産油国は資金が豊富にあると考えられているが、首都バグダッドの都市計画は(紛争などの影響で)30年間も止まったままだ。高速道路の建設も遅れ、信号もない。そこで日本の交通安全教育や交通安全を支えるテクノロジーを現地に伝えたいと思い取材に来た」と狙いを明かす。

エルカシュ氏が特に参考になったとするのは「子どもに対する教育だ。理解しやすいツールを使い、どうして交通ルールを守るべきなのか、小さな頃から教えられている」と日本の手法には学びが多いとした。さらに同氏は自動車事故対策機構(ナスバ)が展示した交通遺児らの書道作品から発せられる交通安全への願いが印象深かったという。

イベントは内閣府、国土交通省、警察庁、警視庁交通部、東京都が後援し、日本自動車工業会などの自動車関連団体、自動車メーカーなどが協力した。このような業界を横断した啓発活動に加えて、自動車技術の進化と教育が両輪となり、安全確保に向けた環境づくりがますます進んで「交通事故ゼロ」の実現につながることが期待される。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 キッズ・小学生,一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月21日掲載