2023年4月07日
自動車メーカー23年度入社式 若者の柔軟な発想やイノベーションに期待
多くの自動車メーカーが3日、久しぶりに対面で入社式を開いた。急速な技術の進化やモビリティに対するニーズの多様化といった変革期の真っただ中にある今、各社のトップは入社を祝いつつ、若者の柔軟な発想やイノベーション(革新)を起こす力へ期待を示した。
トヨタ自動車は3日、愛知県豊田市の本社で入社式を開いた。同日付で1479人が入社した。佐藤恒治社長は「感じてほしいのはクルマづくりの楽しさ。いま世の中にないものを自分の手で仲間とともに作る。必死に努力した先にお客様の笑顔がある。それがクルマづくりの醍醐味(だいごみ)だ」と語った。
会場には役員を含め約1460人が集まり、中途の「キャリア採用者」らもオンラインで参加した。会場では佐藤社長のレクサス「LC」など、役員が乗る愛車も披露された。佐藤社長は「新入社員から見ると経営陣は遠い存在だ。僕らもクルマが好きでクルマ屋をやっている。われわれの体温みたいなものを感じて欲しい」と狙いを報道陣に説明した。
日産自動車はグローバル本社(横浜市西区)で入社式を開いた。内田誠社長は、757人の新入社員に「失敗を恐れる必要はない。この先、一緒にワクワクする未来をつくっていこう」とエールを送った。会場ではデジタルツールを活用した新入社員と内田誠社長の双方向のコミュニケーションや先輩社員とのトークセッションなども行われた。
ホンダは栃木県宇都宮市のコンベンションセンターで入社式を開き、706人を迎えた。三部敏宏社長は「変化の時代はリスクも伴うが、そこから生み出されたものは私たちの勝ち技にもなる」と語った。
マツダはマツダ体育館(広島市南区)で入社式を開催。590人の新入社員を迎え入れた。丸本明社長は「(コロナ禍で)苦労したからこそ、人の痛みが分かり、人を思いやる心を持っている。積極的に周囲と関わりを持ち、皆さんの経験や持ち味を存分に発揮してほしい」と期待を込めた。スバルには519人の社員が入社した。中村知美社長は「会社に新しい風を吹き込んでほしい。そういうチャレンジする人をしっかりと見ているし、応援している」と語った。
ダイハツ工業は昨年、分散して開催していた入社式を大阪府池田市の本社に一本化して開催。約200人の新入社員を迎え入れた。奥平総一郎社長は「変化の激しい時代の荒波を乗り越えていくためには、一人ひとりの意識・行動が『変わる』必要がある。若さと柔軟な視点を強みとして、ダイハツが『変わる』刺激をもたらすことを期待している」と語った。
いすゞ自動車には291人が入社した。神奈川県藤沢市の藤沢工場で開いた入社式で、南真介社長は「『斬新』がなければ100年に一度の大変革期を乗り切ることはできない」と述べた。三菱ふそうトラック・バスもオンラインから対面の入社式に切り替えた。会場となった川崎市民プラザでカール・デッペン社長は「ここは皆さんが輸送の未来を形作る場所であり、私たち全員が社会のために人生を変えることができる場所だ」とし、新入社員の活躍を期待した。
ヤマハ発動機は静岡県磐田市の本社内の施設で入社式を開いた。新入社員の294人に対し、日髙祥博社長は「皆さん1人ひとりがチャレンジスピリットを存分に発揮し、失敗を恐れず果敢に挑んでほしい」と語った。
カテゴリー | キャンペーン・表彰・記念日 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞4月4日掲載