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2023年4月04日

キャンピングカーを安全・快適に メーカー各社が製品提案強化

キャンピングカーブームが盛り上がる中、移動中を含めて車内で快適に過ごせるカスタム人気が高まっている。長時間、車内で過ごすことが多いことから、居住性や走行中の安定性向上はオーナーにとって重要な要素。専門性が高く、富裕層の所有も目立つため、一たび装着した部品や用品は、補修需要や機能改善などで継続的なニーズも期待できる。市場拡大で新たな顧客の獲得も見込めることから、メーカー各社はさまざまな製品の提案に力を入れている。

車両重量がかさむキャンピングカーは、足回り部品に負荷がかかることで走行性能や居住性に悪影響を及ぼす。車両が大きくなればなるほど、そうした傾向は顕著になる。

そこで、キャンピングカー関連製品を取り扱うカーセールス・ワタナベ(渡辺衆博代表取締役、東京都清瀬市)は、衝撃を吸収しやすいエアサスペンションをはじめ、さまざまな部品をラインアップ。これらを組み合わせ、足回りをバランスよく調整する提案に取り組む。渡辺代表は「走行性能を一から見直せることが強み」と、メリットを訴える。

同じく、足回りから性能向上に力を入れるのが、日本ミシュランタイヤ(須藤元社長、東京都新宿区)。同社はキャンピングカーの特性に合わせた専用タイヤ「クロスクライメートキャンピング」を展開している。キャンピングカー用タイヤの「CP規格」に適合。従来の商用車向け製品に比べて高い空気圧に対応し、内部構造も強化することで高荷重に耐えられる設計として走行安定性の向上につなげている。

車内のエンターテインメント機能を引き上げる製品も多い。パイオニアは、無線通信が行えるWi―Fi(ワイファイ)機能を盛り込んだカーナビゲーションシステムをキャンピングカー向けにもアピールする。通信機能でさまざまなコンテンツを利用できるようにすることで、乗員に快適な車内空間の提供を目指す。

また、製品自体も画面を本体からせり出させた「フローティング構造」を採用。既存の取り付け枠にとらわれず大画面化が可能で、見やすさも訴求ポイントとなっている。

パナソニックオートモーティブシステムズ(PAS、永易正吏社長、横浜市都筑区)も同様に、見やすいカーナビでキャンピングカー市場を開拓する。同社では高精細の有機ELディスプレーを最新モデルに採用。画面サイズも大型化したことで、キャンピングカーの広い車内でも視認性を高めた。一般ユーザー向けのイベントでも製品を取り付けたキャンピングカーを持ち込むなどし、分かりやすく機能や特徴を紹介することで関心を高めていた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月30日掲載