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2023年3月27日

東京都 パーキングメーターでEV充電器運用、国内初の実証実験開始

東京都は24日、都内2カ所の時間制駐車区画(パーキングメーター)で電気自動車(EV)用急速充電器を用いた実証実験を開始した。パーキングチケット発給設備併設型の急速充電器による運用は国内で初めて。充電インフラの設置場所が乏しい都市部では、路上の駐車枠を一定時間利用できるパーキングメーターの有効活用も選択肢の一つになっている。

ただ、公道での充電器設置は現行法で禁じられていないものの前例がなく、課題が多いのも実情。道路交通の安全を確保しながら充電サービスを提供できるか、都市部の充電インフラ問題解決に向け注目を浴びそうだ。

今回の実証実験は、2024年3月31日まで実施予定。港区にある水素ステーション近隣と、渋谷区のデンマーク大使館前のパーキングメーターで行う。充電サービスを提供するeモビリティパワー(四ツ柳尚子社長、東京都港区)も協力。同社と都が連携して、パーキングチケット発券機と連動した充電設備を設置した。

急速充電器は「CHAdeMO(チャデモ)」規格の出力50㌔㍗仕様。一般ユーザーが24時間利用可能で、1回当たり、最大30分間充電できる。パーキングチケットの発給料金には、充電費用と駐車手数料が含まれている。

今回の実証実験を通じ、交通管理者と道路管理者、充電器設置事業者、それぞれの立場での課題を探る考え。運用時の留意事項も検証し、公道での本格的な充電器設置の実現に結び付けていく。

広大な商業施設や駐車場の多いコンビニエンスストアを擁する地方部と違い、都市部では充電器の設置場所の確保が困難な地域が少なくない。このため、既存のパーキングメーターの区画を活用できれば、充電器普及に弾みがつく。ただ、公道への急速充電器の設置はいまだ実験レベルで、今回を含めて全国3例にとどまる。四ツ柳社長は「併設型は都市部に適しており、将来的に東名阪や福岡などでの設置を考えている」と、今後も取り組みを加速させる考えを示した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月24日掲載