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2023年3月07日

サポカーもっと知って! 経産省、ペダル踏み間違い加速抑制機能など体験会

経済産業省は、埼玉県上尾市の商業施設で安全運転サポート車(サポカー)の体験会を開いた。自動車メーカー3社がサポカーを提供し、参加者は「ペダル踏み間違い加速抑制機能」や「誤発進抑制機能」などを体感した。サポカーは急速に普及し、直近の生産台数に対する搭載率(乗用車)は9割を超える。経産省は引き続き、サポカーの普及に力を入れる考えだ。

体験会には、ホンダとスズキ、ダイハツ工業の3社が最新のサポカーを用意した。商業施設に訪れた買い物客が参加した。参加者は、運営スタッフが運転するサポカーに同乗し、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いを防ぐペダル踏み間違い加速抑制機能や、センサーが車両や歩行者を検知して衝突の危険性がある場合にブレーキをかける「衝突被害軽減ブレーキ」などが実際にどのように作動するかを確かめた。会場では、特定非営利活動法人「高齢者安全運転支援研究会」による安全運転セミナーなども開かれた。

サポカーが期待されている役割は、高齢ドライバーによる事故を防ぐことだ。交通事故総合分析センター(ITARDA)によると、免許保有者10万人当たりの死亡事故件数の年齢別の割合は、65歳以上が全体のおよそ半数を占めている。こうした事故の発生を防ぐうえでも、サポカーによる運転支援は効果的な手段の一つとなっている。

また、改正道路交通法に基づいて昨年5月には「サポカー限定免許」も新設された。ただ、取得者は数件程度にとどまっているという。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制機能などは、政府の求めに応じてメーカー各社が搭載車を増やしている。

会場で取材に応じた経産省製造産業局自動車課の福永茂和ITS・自動走行推進室長は「AEBS(緊急自動ブレーキ)は義務化されており、補助金で支援する段階ではなくなってきている。そうは言っても新車は価格が高い。既存の車にも搭載できる後付け装置などもある。引き続き、サポカーの普及啓発に力を入れていく」と語った。

【用語解説】安全運転サポート車(サポカー)

国が定義する「安全運転サポート車」は、衝突被害軽減ブレーキを搭載した「セーフティ・サポートカー(サポカー)」と、特に高齢運転者に推奨する「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」がある。サポカーSは、さらに性能や装備に応じて3区分ある。いずれもペダル踏み間違い時加速制御装置を搭載したうえで「ベーシック」は時速30㌔㍍以下で作動する対車両型の衝突被害軽減ブレーキ、「ベーシック+(プラス)」は時速30㌔㍍超でも作動する対車両型衝突被害軽減ブレーキを搭載したものだ。最上位の「ワイド」は、歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキに車線逸脱制御装置、自動ハイビームなどの先進ヘッドライトを備える車両だ。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月4日掲載