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2023年3月06日

「ジャパンキャンピングカーショー」 ディーラー各社は独自技術で居住性向上

日本RV協会(JRVA、荒木賢治会長)が開いた「ジャパンキャンピングカーショー2023」では、フィアットプロフェッショナルブランドの大型バン「デュカト」を架装した車両が注目を浴びた。正規販売代理店5社が、独自の意匠や機能を盛り込んだモデルを出展した。

これまで並行輸入車しかなかったデュカトが、正規に輸入されるようになったことで、維持管理がしやすくなる。もともとキャンピングカーのベース車として需要が高かったが、さらなる人気の拡大に弾みがつきそうだ。

トイファクトリー(藤井昭文代表取締役、岐阜県可児市)は、架装した4台のデュカトを展示。断熱効果を重視して居住性を高めた。搭載家具の重量も従来車に比べて30%軽量化し、走行性能にも配慮した。キッチンや冷蔵庫などを搭載したモデル「ダヴィンチ6・0」には、欧州のキャンピングカー用シート大手のアグチの製品を日本で初採用した。競合製品と差別化し、販売拡大につなげる狙いだ。

アールブイランド(阿部和英社長、茨城県常総市)は、デュカトベースの「ランドワゴン タイムレストラベル」と「ランドワゴン ルーム」の2台を展示した。横向きのダブルベッドを備えたほか、家庭用エアコンを装着。白色とウッドを基調とした室内デザインで、広々とした空間を演出するなど乗員が快適に過ごせるように工夫している。阿部社長は「バンコンの良さとキャブコンの広さを兼ね備えたのがデュカトの特徴」と、同モデルの魅力を語る。

岡モータース(岡宏治代表取締役、香川県高松市)は、デュカトベースの「グランクルーズWD」を製作した。室内を2つの空間に分けたことが特徴となっており、子どもたちの就寝後にもう一つの空間で、夫婦の団らんの時間を持つことができる。出入り口も2カ所設けた。

大きめの冷蔵庫や水を使わない車載トイレを標準装備し、家族での車中泊に適した設計とした。同社は「顧客から問い合わせが多い」と胸を張ると同時に、「安全性能が高く、安心して使用できる」とデュカトを評価する。

ホワイトハウス(木村文夫社長、名古屋市名東区)は、仕事やレジャーでの使用を想定した特装車を展示した。「5人乗りクルーキャブ」は、前後のシートは同じ素材でそろえ、後席と荷室の間に壁を設けて快適性を高めた。荷室の長さは2・5メートルを確保し、レジャーに最適な仕様とした。

「プロフェッショナルツールラック」は、伊GEMA(ジェマ)社の日本総輸入元としてプロユース向けツールラック車として製作。荷室の棚や引き出しなどをアルミ製とし、軽量化と低コストを両立した。キャンピングカーは現在開発中で、早期の製品化を目指しているという。

ナッツ(荒木賢治社長、福岡県遠賀町)は、「FORTUNA(フォルトナ)タイプM」と「同タイプC」の2台を並べた。タイプMはマルチルーム、タイプCはクローゼットの仕様となっている。これまでの架装で培った「ウルトラ断熱システム」を採用したほか、家庭用エアコンの装備により快適性を高めた。

電動で昇降する「パワーリフトベッド」も用意し、就寝時と移動時に合わせた室内空間に変更しやすい。今後は、ロングホイールベース車を架装したキャンピングカーの追加を予定するなど、ラインアップの拡充を急ぐ考えだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月2日掲載