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2023年2月27日

大阪トヨペット 学生に「学びの機会」提供、地域支える人材育成

大阪府全域を販売エリアとする大阪トヨペット(横山昭一郎社長、大阪市東成区)が地域社会の未来を支える人材の育成支援に注力している。同社のSDGs(持続可能な開発目標)活動の一環で、大学生や中学生への「学びの機会」の提供を通じ、彼らの成長を後押しする。また、若年層との交流は同社の成長につながるヒントを得る好機にもなっている。

1月中旬、東大阪市にある近畿大学のキャンパスの一室で開かれた発表会に、大阪トヨペットの社員や学生ら40人弱が詰めかけた。テーマは「自動車ディーラーによるSDGsの新たな取り組み」。同社は、近大が催した「課題解決型KINDAIビジネスコンテスト2022―2023」に参画している。SDGsを切り口に、地域や子どもたちのために新車ディーラーが取り組める活動やサービスについて近大生からアイデアを募っていた。

テーマは昨秋に公開し、22年12月には中間発表会も実施した。ここで、自動車流通業界に関する解説や社会人ならではのアドバイスを実施し、アイデアを練り込む学生を支援した。

1月の発表会当日は、計9班がアイデアを披露。子どもたちに交通安全の重要性を伝える取り組みや電気自動車(EV)をはじめとする環境対応車の普及策など各班が熱心にプレゼンテーションした。

ある班は大阪トヨペットのショールームを実際に来店した経験を踏まえ、「若い世代にとってディーラーは入りにくい雰囲気がある」と指摘。一方、店舗内の設備がきれいで充実している点を強みと分析した。その上で、SDGsと車を掛け合わせた来店を促す仕掛けとして、ミニカーのリサイクルプロジェクトを提案した。

同コンテストの目的は、学生のプレゼン能力や論理的思考力を成長させることにある。このため、同社の社員はすべての班に質問することも意識した。学生らは時に言葉に詰まりながらも、アイデアを考案した背景や根拠、実現したい社会像について真剣に答えていた。同社の役員はプレゼンから若年層のSDGsへの関心の高まりを感じ、「今後も若い世代の成長を支援し、SDGs活動も一段と積極化したい」との意気込みを示していた。

同社による学びの機会の提供は、中学校にも及ぶ。22年12月には、箕面市立第四中学校のSDGsに関する授業への支援も実施した。

25年の「日本国際博覧会(関西・大阪万博)」の開催が迫る中、府内では機運上昇に向けた取り組みが盛んになっている。小・中学生が対象の企画も多く、同校はその1つである課題解決型学習「わくわくどきどきSDGs」に取り組んだ。大阪トヨペットはこれに協賛。万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向け、企業や団体がどのような活動を展開しているか学べる手助けを行った。

同社は中学2年生の授業に参加し、自ら取り組むSDGs活動などを伝えた。この授業を参考に、中学生が万博のテーマに沿ったSDGs活動を考案。この中には環境保護に向けて「太陽光で走る車」を活用する案などが出た。このうち、二酸化炭素を家が吸収する「人工光合成」のアイデアに、「トヨペット賞」を授与した。

中学生の中には、「大阪トヨペットのキャッチコピーである『幸せの量産』という言葉に深い意味があることに気付けた」と感想を寄せる生徒もいたという。こうした次世代の成長を視野に入れた活動は、地域の発展にもつながる。同社の取り組みは、着実に根付き始めている。

カテゴリー 社会貢献
対象者 中高生,大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞2月22日掲載