2023年2月21日
豊田合成 「低炭素農業」でイチゴ、三重・いなべ工場で無農薬栽培
豊田合成は「低炭素農業」の実証に取り組む。栽培時の二酸化炭素(CO2)排出量がゼロで、光源にLEDを用いた無農薬のイチゴ「いなベリー」を最新鋭のいなべ工場(三重県いなべ市)で生産し、栽培ノウハウや事業モデルの確立を目指す。
2022年12月から、同工場に設けた2棟のハウスで1100株のイチゴの試験栽培を始めた。自社開発するLEDの照射時間や温度、湿度などの栽培条件をスマートフォンのアプリを利用して制御する。
イチゴ栽培は一般に化石燃料を使った暖房設備でハウス内を適温に保つ。いなべ工場では、太陽光パネルによる電力を使って栽培する。20年11月に稼働した同工場は、燃料電池車(FCV)向けの高圧水素タンクを製造する最新鋭の工場だ。今後は蓄電池やグリーン水素を活用するほか、いなべ市と連携し、耕作放棄地にハウスを設置することも検討する。
イチゴの実証栽培は、同社が人材育成などを目的に実施した社内コンテストの企画から始まった。企画した新価値開発部の藤井康平氏は「当社の技術を活用し、安心・安全なイチゴを年間を通して供給したい」と語った。
カテゴリー | 社会貢献 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞2月16日掲載